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新社会党第30回定期全国大会 
岡﨑委員長挨拶

2024/04/13
2024年4月13日

 第30回大会に結集された皆さんに、執行部を代表してご挨拶申し上げます。

 年の初め、私は「今、私たちが心して取り組まなければならないことは、戦争をさせないことにつきる」と申し上げました。それは憲法を改悪させないこと、軍備拡大・軍事予算の肥大化を止めること、何より戦争の対極にある人間らしい市民生活を送ることのできる社会の実現をめざすことであり、新社会党結党を決意させ、今日まで継続させてきた運動です。結党30年まであと2年足らずとなった今日、あらためて政治を変えるために全力を尽くそうではありませんか。

 憲法9条が、戦後の日本を支えました。国が戦争をしないよう、政府にタガを嵌めている憲法の存在が、他国からの信頼、とりわけ、かつて日本が侵略したアジアの国々からの信頼にもつながりました。それにもかかわらず、自公政権は「同盟国=アメリカ」との軍事的関係強化が唯一国を守る道だとして、ひたすら戦争できる国、否、戦争する国へと軍備増大の道を突き進んでいます。

  自公政権の下、議論なき国会では、「安保三文書」に基づき対中国との戦争に備えた準備が着々と進められています。多くの国民の日常からは見えない、南西諸島をはじめとする自衛隊の軍事基地化は、自らは戦火を交えることのない米国の代わりに、日本が直接軍事衝突に至る危険な道です。偶発的にでも、軍事衝突が起きれば、沖縄南西諸島の人々は、最前線に放置され、盾とされて、犠牲になります。さらに、日本の各地で民間施設が軍事基地になり防衛産業を支えるため、武器輸出や秘密保護強化等が進みます。自由で民主的どころか、軍事態勢最優先の、有無を言わさず決定に従わせる社会の再現になりかねません。その行きつく先が果てしない戦争です。

 「戦争」を否定せず、憲法改悪の機会を探る動きが強まっています。 中国を敵国とみなし、台湾有事・一触即発の事態が起こりうるとの政府の発表を、多くのマスメディアが批判もなく流し、「ウクライナの様に」突然攻め込まれたら誰が守ってくれるのか、自衛手段の強化はやむを得ないのではないかという不安感を煽る一翼を担っています。何のための、誰のための軍備拡大か、何が人々の安全を守るのか、本質的な検証をしない国会やジャーナリズムを、危機感を持って受け止めています。

 軍備拡大に走る政治は、国民に課す負担を増大させます。社会保障費の削減と増税が計画され、税金は「死の商人」を潤すために使われます。戦争とセットの新自由主義政策の下、格差と貧困が深刻化する社会はますます生きづらくなります。人権を否定する差別の深刻化、弱いものを叩くことで不満や不安のはけ口とする事件、自己責任の罠に縛られて孤立する人々を生む社会は「強い国家・軍事国家」を肯定するものです。

 改憲勢力が3分の2を超える国会で、制度改悪を阻止する力を作らねばなりません。非武装・中立の優位性を理解し、政策に反映していく政治的勢力の確立が不可欠です。自公政権を倒し政権交代を図るには選挙戦における野党の共闘は必須だと多くの人は理解しています。その共闘が、与党の揺さぶり、連合の介入や右翼的野党の伸長、安保政策の動揺などを背景に難しくなっている状況があります。

 では、我々はどう立ち向かうのか。

 私達は2015年以来、憲法改悪を許さない野党共闘成立を最優先に取り組んできました。そして21年の大会で、 ①衆議院選挙における小選挙区では、立憲野党共闘の実現と勝利に全力を尽くす。ブロック比例では社民党の政党要件確保を図る。 ②参議院選挙においては、選挙区は立憲野党共闘の実現と勝利に全力を尽くす。全国比例選挙は、社民党共同名簿に、新社会党の候補者を擁立し共同で闘うとし、22年参議院選挙は新社会党員として岡崎彩子を社民党共同名簿に擁立しました。さらに今大会では、昨年末の、社民党からの要請を受けて、来年25年10月に任期満了を控え、いつ解散になってもおかしくない衆議院選挙と、来年改選を迎える参議院選挙について、戦争への道を歩む岸田政権の退陣と憲法を生かす政治勢力の確立のために、共闘する。そして新社会党の運動をしっかり広げていくためにも準備したたかうことを提起しています。

 その上で、3号議案では来年予定される参議院選挙の比例区社民党の共同名簿に登載する予定候補者として、新社会党市民運動委員長、東京都本部所属 甲斐まさやすさんを提案いたしました。厳しい条件しかない新社会党で、たたかう仲間の思いを背負って立候補を決意してくれた甲斐まさやすさんを、皆さんの総意で決定していただきますようお願いします。

 議案書の配布から今日までの間、各地で論議をしていただきました。今日明日にわたり、代議員の皆さんからの報告や提案、意見が、これからのわたしたちのたたかいの力になるものと思います。限られた時間ではありますが、若い人たちにつながる新社会党の運動を豊富化していただきますようお願いし、挨拶といたします。

                                               
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