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新社会党第30回定期全国大会
ジェンダー平等社会をめざし
「選択的夫婦別姓」制度の早期実現を求める決議

2024/04/14
                                               ジェンダー平等社会をめざし
「選択的夫婦別姓」制度の早期実現を求める決議

 1996年2月26日に法務省の法制審議会は「民法の一部を改正する法律案要綱」を答申し、「選択的夫婦別氏」制度の導入を提言したが、28年過ぎた今もこの民法改正は実現できていない。我が国は、民法750条で婚姻の届けをする際は「夫婦同氏」しか認められていないため、「結婚をしたら夫の氏を名乗るものである」(97.4%が夫の氏:「2022年人口動態統計」)と改姓の不利益が世代を超えて女性に偏り続けて来た。女性の社会進出等に伴い、氏を変更することにより、仕事や日常生活上の不便・不利益、アイデンティティの喪失や、また「別氏」を選択できないために、婚姻を諦めることによる不利益などもある。(以下、「氏」を一般に使用されている「姓」で記す)

 これまで、民法750条は、憲法13条、14条、24条に違反していると「選択的夫婦別姓」制度の実現を求める裁判闘争が2011年から取り組まれてきた。しかし、15年と21年の最高裁大法廷の2度の判決は、共に現行民法を「合憲」とした。

 今年3月8日国際女性デーの日に、30代~60代の男女計12名が東京地裁(事実婚4組・法律婚1組)と札幌地裁(事実婚1組)に夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は憲法違反だとして一人当たり50万円の損害賠償などを国に求める訴えを起こした。「第三次選択的夫婦別姓訴訟」である。

   さらに経団連も国際基準の立場から、「ビジネスにも女性活躍にも悪影響が出ている」と選択的夫婦別姓の早期実現を政府に要望している。「夫婦同姓」しか認めていない国は世界の中で日本だけであり、国際化が進む中での限界が見え始めている。

    明治憲法下1898年に民法で「家」を単位とする「戸籍制度」ができ、1947年にその「家制度」は廃止されたが、廃止に反対する権力者たちは「姓が一緒であれば家があるも同然」と存続させて来た。家族(家庭)を国家の下に置き、女性を性別役割分業に縛りつける考えである。「選択的夫婦別姓」の要求と実現は、国家主義勢力に対峙して多様性を認め合える社会の取り組みとしてもある。

    新社会党は、女性の社会的地位確立とジェンダー平等社会をめざし、「選択的夫婦別姓」制度早期実現に向け奮闘するものである。

   以上決議する。

2024年4月14日
新社会党第30回定期全国大会