イスラエルガザ侵攻  犠牲は一般市民

『週刊 新社会』 2009年1月20日号より


 
攻撃の即時停止が現実的な解決の道

即時停戦を求めるピースパレードが1月10
日、東京・港区で1500名が参加して行われ、
六本木周辺をパレードした
 イスラエルはガザ包囲後もなお攻撃を続けている。国家テロとも言われるその犯罪の両景とその解決への道をさぐる国際的な動きを報告する。

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 12月27日から始まったイスラエル空軍によるガザ攻撃は1月12日には、17日目に入った。同日、47カ国で編成されるジュネーブ国連人権評議会(米国はメンバー国でない)はイスラエルに対し、33対1(カナダが反対)で攻撃を強く非難する決議を採択、国際調査団が即時に派遣されることになった。

 ロシア、中国、アルゼンチン、ブラジルが積極的に決議を支持するなか、EU、日本、韓国は棄権した。8日に国連安保理決議が出されているにもかかわらず、イスラエル予備国軍までも地上軍に加わり、人ロ150万人のガザ市は完全に封鎖され、住民は出ることもできない。

 すでに900人を超す死者、数千人の負傷者が出ており、少なくとも2万5000人が空爆からの避難か余儀なくされた。食糧、水、燃料、医薬品は不足している。

 また同日、イスラエル中央選管は2月10日に行われる総選挙(クネセト議会)に、「ガザ侵攻批判」を理由に国内のアラブ2政党、ラアム・タアル党およびバラド党からの候補者の立候補禁止措置を承認した。

 イスラエルの人ロ700万人のうち5分の1は差別と貧困のなかに暮らすパレスチナ人である。


 
仕組まれた軍事侵攻

怒りと悲しみの中で遺体を運ぶパレスチナ市民
 ガザ侵攻はサウジアラビア王室およびイスラエル・米国の政権担当者の一連の秘密会談ならびにレブニ・イスラエル外相のエジプト訪問の直後に開始された。

 エジプト・ガザ国境の閉鎖措置はパレスチナ人の人道の危機を招いている。多くのアラブ進歩政党は今回の軍事侵攻は米・イスラエルによる「新中東構想」という分割統治・再編プロジェクトの一環であり、イプク、レバノン、シリアへの攻撃と同様と見ている。

 ブトロス・ガリ前国連事務総長は「イスラエルの攻撃は過激派や原理主義者を力づけ、全アラブ諸国およびイスラエル国内の人々の反対を強めることになるだろう」と言明した。

 パレスチナの抵抗組織は犠牲を受け入れながらも、屈服せずに抵抗し続けることが自らの権利を守る唯一の道であるとの姿勢を貫いている。


 緊急連帯の呼びかけ

 パレスチナ人民党(PPP)は国際社会、とりわけ進歩的、民主的、左翼勢力に向けて12日、 「緊急連帯の呼びかけ」 を出した。

 @イスラエルのガザ市民攻撃に最大限の反対の声をあげる、A国際人道法違反、戦争犯罪、人道に対する犯罪である攻撃を非難する、B即時休戦とガザからの兵力撤退、包囲解除を要求し、侵攻を終止させる、C国連安保理は「憲章7章」にもとづき新たな決議を出し、1860決議を拒絶しているイスラエルを制裁する、Dイスラエルの戦争犯罪および人道に対する犯罪について、ジュネープ条約の高等機関(HCP)は違反に対して具体的行動をとる、E欧州議会は、イスラエルが国際法および人道的義務を遵守するまで現存の合意の延長などEUを利するような行動を拒否させる、Fデモ、座りこみを含むあらゆる方法で大衆行動によってガザとパレスチナの人民に連帯する。

 一方、イスラエル当局はガザ地区のパレスチナ人抵抗組織、ロケット発射サイトおよび南部ラファの密輸トンネル、ハマス指導者の自宅など25カ所を攻撃し、ハマス軍事部門のロケット攻撃が終われば軍事作戦をやめると主張している。

 しかし、人道団体は人口密集地区で新型の化学兵器まで便用されていることを非難している。

 12日、エジプト政府は@人道援助を許可するための休戦、Aガザ入り検問所オープンへの交渉、Bパレスチナの和解努力、の3点を挙げた休戦計画を提案し、エジプト側から61人のアラブ人医師がラファからガザに入いることを許可した。

 ケレム・シャロム検問所からは援助物資を積んだトラック100台ほどが市内に入ったが、積荷を減らすよう要求され、人道援助は滞っている。


 
国連決議と国際法で

 1948年のイスラエル建国とパレスチナの占領、67年のアラブ諸国への侵略戦争、数次の中東戦争を経て「パレスチナ問題」はすでに61年目を迎えている。

 国連総会、安保理は数百もの決議を採択しているが実行されていない。国際法は無視されたままである。問題の軍事的解決はありえないことを過去の事実が示している。

 国連決議と国際法にもとづいて、イスラエルの領土占領・拡張政策を終わらせ、占領が引き起こした難民問題、ヨルダン川西岸とガザ地区へのイスラエル人の入植継続などの間題を解決し、パレスチナ人に統治と決定を行う合法的権利を与え、独立国家の樹立を実現することが戦争終結へいたる道である。

 ガザ攻撃の即時停止、イスラエル軍撤退、封鎖解除は現実的な解決の第一歩である。(富山栄子)