アラブ首長国連邦  経済発展と人権侵害

『週刊 新社会』 2009年8月25日号より


 アブダビ、ドバイなど7つの首長国が連邦を形成し「アラブ首長国連邦(UAE)」として英領保護国から独立したのが1971年。40年足らずでUAEはGDP30倍以上、人ロ10倍以上、石油・カス輸出のみならず、金融センター、観光地として産業を多角化し、640万人が暮らす国になった。

 日本からも130社がビジネス展開し、3600人が住む。ドバイは世界一高いビル、世界最大のショッピング・モールで発展を誇示するが、人口の80%以上は外国人だ。

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 「労働者をだまして高層ビルを建てる」と言われるように、少数の富裕階層以外の大多数は安い労働力(月250米ドル)を供給ずるインド、パキスタン、バングラデシュなど南アジア、近隣の中東諸国出身の出稼ぎ労働者だ。

 主に建設業・サービス業に就いているが、今年に入って金融危機による計画の遅延・棚上げで年末までにレイオフは建設業の45%に上るという予測も出ている。7月には居住条件と低賃金に抗議するインド人労働者が暴動を起こし、3000人が放火。騒乱罪で検挙された。

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 また、豊かさの影にアジアや東欧、アフリカから1万人以上が人身売買で連行され、 「夜の秘密」と呼ばれる売買春が年間320億ドルを稼ぎ出している。

 連邦法51条(人身売買は犯罪)の下に06〜07年に「人身売買と闘うUAE全国委員会(NCCHT)」 (議長・外相)と「ドバイ女性・こども基金」が設立された。

 国際条約を遵守し、被害者を保護・支援する努力を示すアラブ世界で最初の政府機関で、今年6月(08〜09年)、ドバイ、アブダビで検挙された20件の人身売買・強制売春のうち2件を終身刑とした。しかし、検挙は氷山の一角だ。(富山)