コソボ独立問題  国際社会の新たな不安定要因

『週刊 新社会』 2009年10月27日号より


 イェレミツ・セルビア外相は10月15日、国連安保理で国連加盟国に「国際司法裁判所(ICJ)の勧告が出るまでコソボ独立承認を控える」よう訴えた。

 面積1万平方キロ(岐阜県と同じ)、人口215万人のコソボは08年2月17日、議会を通じて一方的にセルビアから分離独立を宣言した。国連加盟国192力国中、独立を承認した国は62力国、国速安保理常任理事国のロシアと中国は独立は違法というセルビアを支持している。

 ICJの公聴会は12月1日から始まるが、コソボ問題は欧州連合(EU)を二分、各国の分離主義と領土紛争の火種になるととらえられている。

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 コソボには旧ユーゴ解体後に欧州最大の米軍基地ボンドスティール・キャンプが建設され、99年以来、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)とNATO主体の国際部隊(KFOR)が地域の治安を担当してきた。

 現在、任務は欧州連合コソボ法治ミッション(EULEX)に移行している。
 政治面ではアティサリ元フィンランド大統領が指摘するように「指導を受けた独立」状態にあり、経済面で自立できないなか、西欧および米国市場を目指した「バルカン半島横断パイプライン」計画がアルバニア・マケドニア・ブルガリア石油会社(AMBO社、本拠地米国)によって動き出している。カスピ海からグルジア、黒海を航行してブルガス港、さらにバルカン半島を横断するルートである。

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 コソボの人口はイスラム系アルバニア人が92%、セルビア人人・トルコ人住民は10%に満たない。隣国アルバニアは「大アルバニア」構想をもっており、両国政府は今月初め、海への出口としてシェンジン港をコソボに委譲する条約の調印式を済ませた。(富山)