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米大統領選でトランプ勝利なぜ?
背景にグローバリズム
2016年11月22日



 

 排外・差別主義の勝利


 アメリカ大統領選挙でトランプが勝利した。選挙終盤戦でトランプが追い込んではいたが、ヒラリーが逃げ切るだろうというのが大方の見方であった。予備選及び選挙戦を通じて、アメリカ第一主義、排外主義的・人種差別発言、女性蔑視発言などのおよそ聞くに堪えない発言を繰り返してきたトランプが勝つはずはないという思いこみであった。まさかのトランプ勝利に世界は戸惑う。日本も例外ではない。米国民はなぜトランプを選んだのか。背景を探れば際限のないグローバリズムの進展がある。 (津野公男)


 嫌われていたヒラリー


 選挙の構造は、イギリスがEU離脱を決めた国民投票に似通っている。多国籍企業主導のグローバリズムがもたらす恩恵にあずかることができず、移民(イギリスの場合はEU内の東欧労働者も)や外国からの安い商品輸入によって、賃金が下がり、仕事を奪われていると感じている白人層の多くの不満・怒りの強さである。
 他方、嫌われ者同士の闘いと言われたように、ヒラリーもまた嫌われていた。彼女がエスタブリッシュメントの一員であるからだ。多国籍企業が中心となってつくりあげた現体制のもとで成功を成し遂げた支配層である。選挙資金も多国籍企業からの多額の寄付金に頼っている。エスタブリッシュメントに対する反感は欧州でも左右問わず強く、格差の拡大や貧困の増大を生み出した張本人だとの恨みは強い。最初の女性大統領候補にもかかわらず、また、対立するトランプの女性蔑視発言にもかかわらず、白人女性でもヒラリーに投票していない事実がそれを物語っている。


 拡大するポピュリズム
 高まるナショナリズム

 際限なきグローバリズムの進展によって格差拡大と貧困の増大が進んできた。今グローバリズムについて行けない層の「反乱」が世界で高まっている。
 一つの流れは、スペインのポデモスの躍進や米大統領予備選挙でのサンダースの健闘にみられる、最低賃金の引き上げ、奨学金級の増額、社会保障の拡大などを求めているものだ。
 他の流れは、グローバリズムに対する反動としての排外主義、民族主義である。これは欧州各国に広がっているし、アメリカではトランプを支持する運動に引き継がれている。
 トルコや中国、ロシアにみられるように強権的支配の強化と民族の夢を公然と語る国も増えている。もちろん安倍の「美しい日本」のスローガンも軌を一にするものだ。
 資本主義のもたらす矛盾は、必ずしも労働者階級の反抗を強めるわけではないということでもある。世界はますます不安定さを増してくる。
 日本でも、大阪維新の動きにみられるように、不満と怒りがポピュリストに組織されるならば、行く先は危険なかつてのドイツの道である。
 新社会党は、格差拡大と貧困の増大に対する対抗運動を強めなければならない。



 
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