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沖縄 民意を無視
高江ヘリパッド着工
2016年8月02日



  参院選で大勝した安倍首相は都知事選の応援に駆けつけるでもなくゴルフ三昧の夏休暇を過ごしている最中の7月22日、政府は参院選で現職閣僚を10万票以上の大差で退けた沖縄県民に情け容赦なく強権を発動した。亜熱帯系の原生林ヤンバルの森が広がる沖縄本島北部の米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に抗議する住民を機動隊が排除して強行着工した。同時に本島中部の名護市辺野古に新基地建設を促進するため、翁長雄志知事の埋め立て取り消しに対する国の是正指示に知事が応じないことを違法として違法確認訴訟を福岡高裁那覇支部に提起した。沖縄県民は日米両政府からヘリパッド・辺野古・オスプレイという三重苦を押し付けられ、苦難の闘いを続けている。


 米軍北部訓練場


 国頭村と東村にまたがる米軍北部訓練場は国内最大の米軍施設(面積約7800f)。米海兵隊によるジャングル戦闘訓練地としてベトナム戦争などで、日本政府が禁止する第三国との共同作戦に統合運用されてきた。 1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、訓練場の半分(約4000f)の返還が盛り込まれ、代りに訓練場内22カ所のヘリパッドのうち返還区域の7カ所(後に6カ所)が残る高江地区に移設集約されることになった。
 ヤンバルの森にはヤンバルクイナ、ノグチゲラ、リュウキュウヤマガメなど固有種や絶滅危惧種が生息する貴重な生態系地区。そこへ直径45bのヘリパッドが集中し、新たに6カ所造られる(2カ所はすでに完成)。しかもオスプレイの導入により風圧、排気熱による生態系破壊ばかりか、住民の生活と人体に及ぼす影響も甚大だ。その第一は騒音。東村高江で6月に発生した騒音の回数は383回、14年度の年間平均の24倍。睡眠妨害で学校を休む子も出ている。
 「工事を着工させない」「森を守れ」。7月21日、訓練場のメーンゲート前に1600人が「オスプレイパッド建設阻止緊急集会」を開いた。国が工事着工を県に通知したのは参院選が投開票された翌日の7月11日。この不意打ちに県民の怒りは大きい。しかも、着工に備えて警視庁など本土の機動隊500人を動員、県道70号で一斉に検問を行い、資材搬入に抗議する住民の排除に当たった。


 辺野古もオスプレイも


 「この島には憲法も民主主義もない」。沖縄の基地は米軍の銃剣とブルドーザーで造られた。今は日本政府が米軍のために、「警察を用いて住民を強制的に排除」(翁長知事)して造られる。政府はこの強権発動を、「沖縄県民の皆さんの基地負担の軽減に資する」(菅官房長官)と言う。沖縄県側も容認したSACO合意を盾に、ヘリパッド移設を受け入れなければ訓練場の返還はないというだけではない。普天間基地の辺野古移設(新基地建設)、海兵隊の再編とその他基地返還ともリンクする。
 ハリス米太平洋軍司令官がこの2月に米上院軍事委員会で、ヘリパッド移設工事は年内天間基地の辺野古移設(新基地建設)、海兵隊の再編とその他基地返還ともリンクする。 ハリス米太平洋軍司令官がこの2月に米上院軍事委員会で、ヘリパッド移設工事は年内に終了する見通しであると伝え、「北部訓練場が返還されれば辺野古移設に反対する県民感情も緩和される」「県知事は代替施設(辺野古の新基地)建設に反対しているが、

北部訓練場は推進している」と述べたことが明らかになっている(7月19日『沖縄タイムス』)。
 SACO合意は、基地撤去を求めるオール沖縄≠フ形成につながる中での出来事。日米同盟優先の日本政府が辺野古・オスプレイ・ヘリパッドを一体のものとして捉えるのに対し、県民側はまだ三位一体の立場に習熟していない。政府はこの弱みにつけ込んだ。



 
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