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安倍改造内閣
改憲へチャレンジ
2016年8月16日



 参院選での与党大勝の流れを受けて8月3日の第191臨時国会で、第三次安倍再改造内閣が発足した。閣僚20人中、官房、財務、外務を含め8人が留任、経済を最優先にアベノミクス推進、昨年成立した安保法制(戦争法)の具体化などを担う重要閣僚に安倍首相の側近を配した。焦点の沖縄と原発、TPP担当はそれぞれ官房と経産が実権を握る態勢だ。官邸のイエスマンに堕した自民党幹事長には二階俊博前総務会長を据え、ここに官邸主導で「憲法改正」にチャレンジする本格内閣の登場となった。


岩盤「働き方」の改革


 安倍再改造内閣は、憲法改定へ参院で国会発議に必要な3分の2の改憲勢力を確保して発足した。安倍首相は組閣後の記者会見で「選挙で約束した政策を一層のスピード感をもって実践し、結果を出したい」と述べた。 最優先課題は「経済」。要約すると、第一にデフレからの脱却速度を最大限まで引き上げる。第二にTPPをチャンスに農政改革を断行する。第三に成長戦略を加速する。
 目指すはGDP600兆円、希望出生率1・8、介護離職ゼロ。「この3つの的」に向かって「1億総活躍」の旗を高く掲げた。
 ここまでは聞き古した内容だ。アベノミクスは政権の「生命維持装置」、道半ばの撤退はあり得ない。
 その「最大のチャレンジ」として的を絞ったのが「働き方改革」だ。具体的に上げたのが@長時間労働の是正、A同一労働同一賃金の実現、B非正規という言葉をこの国から一掃する、C最低賃金の引き上げ、D高齢者への就労機会の提供。
 その実現へ「働き方改革実現会議」を設け、年度内に実行計画をまとめる。 財界の意を汲む安倍政権はいよいよ最大の岩盤規制の解体に挑戦を布告した。少子高齢化による労働力不足の中、経済成長の果実を生む奥の手だ。
 正社員の残業代をゼロにし、雇用重視の一律の勤務形態を変え、雇用を流動化し、収益性の低い企業を淘汰しようというのだ。それには40代以上の中高年労働者の賃金を下げ、職務に応じて企業を渡り歩けるようにし、若年労働者は低賃金の正社員として雇用する。
 ここに年功などに関わらない同一労働同一賃金が実現し、実態に即して非正規という言葉がなくなる。安倍首相は同一労働同一賃金の名を借りて、労働者の平均的賃金水準を非正規のレベルに平準化していくことを布告したのである。
 高齢者はというと、アベノミクスによる財政破綻を受けて年金・介護・医療など社会保障費が削られ、生きるてめに同一賃金水準以下でも働かざるを得ない。アベノミクスは金融政策と財政出動の余地がなくなり、構造改革の岩盤を深堀りせざるを得なくなった。


総裁の任期延長視野 


 第三次安倍再改造内閣の閣僚は、公明党の石井啓一国交相を除く19人のうち15人が日本最大の改憲右翼団体「日本会議」と一心同体の国会議員懇談会の会員である。また、全員が神道政治連盟国会議員懇談会の、さらに11 人がみんなで靖国神社を参拝する国会議員の会の会員だ(俵義文氏による)。
 小池百合子都知事に次ぎ女性2人目の防衛相となった稲田朋美・前自民政調会長は、安倍首相気に入りのタカ派。「9条第2項をこのままにしておくことこそ立憲主義を空洞化する」「日本独自の核保有を国家戦略として検討すべき」などその語録は日本会議を代弁。そんな危うい人物を防衛相に据えたのは、対中国の緊張を煽るためとしか考えられない。
 安倍首相は在任中の改憲を明言している。そこには自民党総裁任期(2期6年)の延長が含意されている。そのために「党内で最も政治技術を持った」(安倍首相)二階氏を幹事長に据えた。独裁的権力を掌中にした安倍首相は憲法にとどめを刺そうとしている。



 
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