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2012.2.14
武器三原則全面緩和
死の商人への「談話」撤回せよ 

野田内閣は昨年末、武器と関連技術の輸出を原則として禁止してきた「武器輸出三原則」を全面的に緩和する新基準を決め、官房長官談話の形で発表した。憲法を蔑ろにし、国会論議もなく、なし崩し的に「死の商人」の道に踏み込むことは断じて許されない。


 東西冷戦構造のなか、佐藤内閣が1967年に打ち出した「武器輸出三原則」は、旧共産圏などへの輸出を禁じることが主眼だった。そして三木内閣が76年に平和国家の立場から対象外の地域への武器輸出も「慎む」とする政府統一見解を出し、実質的な全面禁輸政策がとられてきた。

 部分・個別を転換

 その後、83年に中曽根内閣が米国への武器技術供与を例外とする官房長官談話で部分緩和に踏み出したが、政府統一見解で共同生産は行わないとした。
 小泉内閣は04年、官房長官談話で米国とのミサイル防衛(MD)の共同開発・生産を認め、米国とのその他の案件は個別に検討とした。民主党政権としては菅内閣が昨年6月、日米で共同開発を進めているミサイルを米国が第三国に輸出することを認めた。
 そして今回の見直しは、これまでの個別・部分的な見直しから、「武器コストの高騰への対応」を口実に新たな包括的基準を設けた。「友好国」との間で自衛隊が使用する武器を共同開発・生産することに道を開くものだ。
 野田佳彦首相が議長の安全保障会議が決定し、藤村修官房長官が出した談話は、@ 「平和貢献・国際協力」に伴う案件については武器輸出を認め、A米国など日本と安全保障の協力関係がある国との武器の共同開発・生産、当該協力国への武器輸出を認めるなどを柱としている。
 だが、官房長官談話が言っている「平和貢献・国際協力」などの「基準」は、時の政府によってどのようにでも解釈される恐れがある。つまり、今回の武器輸出緩和は、わが国を「武器輸出国」へと転換するもので、憲法の平和原則・9条から絶対に容認できない。

 財界と米国の意向

 ところで、日本経団連は2010年7月、防衛産業界の強い意向を受けて「新たな防衛計画の大綱に向けた提言」を発表し、「新しい武器輸出管理原則」などを提示した。
 そのなかで、「武器輸出三原則等による武器輸出および武器技術供与の実質的な全面禁止の状況を改め、個別案件について、その内容や、最終の輸出先、用途の観点から総合的に審査する」との「方針」をうたい、「わが国並びに国際社会の安全保障や平和維持への貢献の観点から総合的に判断する」との「基準」を示している。
 これを見ると、野田内閣の武器輸出全面緩和は、日本経団連の「提言」をそのまま引き写したものであることが分かる。米国は、共同開発した武器を世界中で売るため日本に武器輸出の緩和を強く迫ってきた。
 今回の全面緩和の背景には、支持基盤を防衛産業・財界に広げ、政権を支えてもらいたい民主党・野田内閣と、防衛産業・米国との思惑の一致があるのだ。
 憲法と平和国家のありようをねじ曲げ、「死の商人国家」への道に踏み込む官房長官談話の撤回を求める。

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