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2012.4.3
秘密保全法案
都合で出さないだけだ 

 国民の知る権利と報道の自由を侵害する極め付きの悪法「秘密保全法案」について、政府・民主党が今国会への提出を断念したという報道が、春分の日にあった。消費税増税法案という難題があるから先送りしただけで、決して諦めたわけではない。油断は禁物だ。

 

 

 秘密保全法案は、外交や治安などに関する国家機密を公務員が漏えいした場合の罰則強化を柱とするが、提出断念の報道は、藤村修官房長官の「国民の知る権利や取材の自由など様々な意見が出ていることも踏まえ慎重にすることが必要」との談話を紹介していた。

 一方で、報道には消費税増税法案の提出を控え、国会提出しても審議を進められる状況ではないという民主党幹部のコメントも付いていた。秘密保全法案の策定経過からすると、消費税法案がらみの国会対策の都合で提出を見送ったというのが真相と見るべきだ。

 国家権力は、中曽根内閣時代に国民的な反対運動で廃案になった「スパイ防止法」の時から執念を持って秘密保全法の制定を狙ってきた。だから、「国民の知る権利や取材の自由」に配慮して野田内閣が「本当に断念した」のではないことをしっかり肝に命じておかなくてはならない。



 何でも特別秘密に



 秘密保全法案は、@防衛など「国の安全」、A外交、B公共の安全・秩序の維持の3分野を対象とし、「国の存立に重要な情報」について担当大臣が「特別秘密」と指定することを柱としている。

 国民の関心の高い沖縄の普天間基地や自衛隊の海外派兵など軍事・防衛問題、国民生活に深く関わるTTP問題や核兵器廃絶などの外交問題、福島原発事故で大問題になっている原発の安全性や放射能被曝の影響などの情報が、政府の都合で「特別秘密」にされる危険性は十分ある。

 仙谷由人官房長官(当時)は中国漁船衝突事件の映像流出問題について一昨年11月、衆院予算委で「国家公務員法の守秘義務違反罰則は軽く、抑止力が十分ではない。秘密保全に関する法制の在り方について早急に検討したい」と述べた。

 これに基づいて設置された「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」が昨年8月に提出した報告書に沿い、野田内閣の「情報保全に関する検討委員会」(委員長=藤村官房長官)が法案作りを進めてきた。



 際限ない調査対象



 報告によれば、特別秘密を取り扱う公務員が故意に漏えいした場合の罰則を強化・厳罰化することで抑止効果を狙っている。また、特別秘密を取り扱う職員について私生活や外国への渡航歴、懲戒処分歴などを調査する「適正評価」を行い、配偶者も対象になる。

 さらに、事業委託を受けた独立行政法人や民間事業者まで適用対象となる。つまり、特別秘密に関わる人と何らかの関係のある人はすべて調査・管理の対象となり、範囲は際限なく広がるのだ。



 情報公開が公約だ



 民主党政権は、国民の「知る権利」を明記した情報公開法改正案を国会提出している。情報公開の拡大は、民主党の政権公約(マニフェスト)である。棚ざらしにされている情報公開法改正案を、まず成立させるべきだ。


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