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2012. 4. 10
総額人件費抑制
スト構える春闘でなければ 

 金属労協(IMF−JC)や運輸、通信など大手労組の12年春闘の集中回答が3月14日と15日にあった。12年春闘の最大の焦点だった定期昇給を大半の大企業が維持する一方、一時金は前年を下回る前年割れが目立ち、一時金が総額人件費を抑制する役目になった。

 
 

経団連は1月23日、今春闘の経営側の方針を示す「経営労働政策委員会報告」を発表、「行き過ぎた円高や東日本大震災、欧州債務危機」の影響を踏まえ、「経営環境が厳しさを増す」と強調した。

 定昇について「延期・凍結も含め、厳しい交渉を行わざるを得ない」とし、定昇実施を容認した11年春闘の方針を一転させた。さらに、連合など労働側の給与総額1%引き上げ要求に、「企業の危機的な経営環境に対する認識が甘い」と強く批判、「ベアの実施は論外」と一蹴した。


 定昇すらも否定的


 一時金も「実績に即した判断が求められる」とし、個々の企業の業績に応じて個別に労使交渉すべきとの立場を鮮明にした。経団連が定昇に否定的立場を明確にしたのは、米国同時テロと金融不安の影響で景況感が悪化した04年以来のことだ。

 経団連は、「労使が企業の存続と発展をともにめざし、知恵を出し合うのが春闘」(米倉弘昌会長)と「脱春闘」を主張してきた。

 集中回答では、トヨタやパナソニックなど大手の大半は例年通り定昇を維持した。上場企業には「定昇凍結に踏み切ると、投資家に体力不足を見越されて株価が下がるため簡単には手をつけられない」という事情もある。


 一方、一時金についてはトヨタとホンダは満額回答だったが、もともと両労組とも要求が前年実績を下回っていた。日立製作所など多くの企業で満額割れが目立ち、マツダは一時金が過去最低の水準となった。経営側は定昇を維持した分、総額人件費を一時金で調整する必要があった。

 経団連は、「日本の主要産業が企業の存続や雇用維持を最優先し、精一杯の努力をした」と評価、経営側の方針である「経営労働政策委員会報告」通りに進んだ春闘となった。


 確かに大手労組の多くで定昇は維持されたが、賃金は「賃金体系維持」「制度的昇給実施」、一時金は「業績連動」「プラスα」など内部しか分からない回答になった。連合は、今回の中央の回答が地方の(中小企業などの)底上げとなるよう努力したいと言うが、実際は続く中小春闘を困難にしている。


 不満と嘆きの声が


 また、「賃金配分までが春闘」だが、企業の労務政策から成果主義に基づく賃金表や業績に左右される「業績連動」などは、「一体いくら賃上げされたのか内部からも分かりにくくされている」「勝ち取った賃金も会社の選別で決められる」など不満と嘆きの声が労働者から聞かれる。


 職場から闘いが失われれば、経営側の狙いである年功序列・定昇廃止=成果主義に基づく賃金制度で春闘は無くなる。決して「脱春闘」を許してはいけない。春闘は、経営側の思いやりで賃上げが決まるのではない。労働者の生活に根ざした賃金要求から、「不満なときはストライキ」を構える春闘を課題にしなければならない。


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