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2012. 6. 5
食品表示の一元化
消費者の権利を守る新法に 



 スーパーなどで食料品を買う時、ほとんどの人が原料や賞味・消費期限、生産地、添加物の有無や内容などをチェックするだろう。
 だが、現在の食品表示制度は3つの法律に基づく表示が混在し、分かりにくい。そのため消費者庁が抜本的な見直しを行っている。


 食品の表示制度は基本的にJAS法、食品衛生法、健康増進法の3法を根拠とする。
 JAS法は原材料や遺伝子組み換え、消費期限など品質に関する表示、食品衛生法はアレルギー物質や添加物など安全性に関する表示、健康増進法はエネルギーやタンパク質、炭水化物など栄養成分などを表示している。
 この3法を一元化して新たに食品表示新法を作り、表示内容や形式も見直すことが決まっており、消費者庁は現在、来年の通常国会に法案提出をめざして作業を進めている。
 消費者庁は、昨年7月に行われた消費者基本計画一部改定の閣議決定に基づいて9月、消費者団体や有識者、食品業界関係者からなる食品表示一元化検討会を設置した。検討会は、論点整理などを進め、一般からの意見募集など行ってきたが、6月をめどに報告書をまとめる予定だ。

 緩和を目論む事業者

 表示問題は、発足当初の主婦連が1960年に起きた牛肉の缶詰の中身が鯨や馬肉だった「ウソつき表示缶詰事件」に取り組み、また、東京弁護士会が81年に食品安全基本法制定の提言を行うなど、消費者にとって旧くて新しい問題である。
 今回の一元化の直接のきっかけは、2007年に多発した食品偽装事件、08年の中国産冷凍ギョーザ事件の発覚に対して、政府の対応窓口が一本化されていなかったため効果的な対応ができなかったことへの反省からだ。
食品表示の一元化については、検討会が開かれるたびに消費者団体や食品業事業関係者など180人程度が傍聴しており、関心の高さがうかがわれる。
 だが、事業者側の代表は、「詳しい表示をするとコストがかかり価格が上がる」「詳しい表示は内容が分かりにくくなる」などと主張、現在の表示ルールを何とかして緩和させようと腐心、やっきになっているという。
 ウソの表示で消費者をだまし、売りやすい表示制度にしようという魂胆がありありだ。食品の表示問題は、命や健康に直結する問題であり、事業者側のこうした悪しき意図を許してはならない。

 使いこなすのは我々

 食品の表示内容は、商品を吟味し、買うかどうか判断する最も重要な要素であり、商品に関する正しい情報を知ることは消費者の大事な権利だ。「食の安全・監視市民委員会」代表の神山美智子弁護士は、昨年11月に東京で開かれた「一元化」に関するシンポジウムで講演し、次のように語ったが、この問題の核心を突いている。
 「消費者には、知る権利、選択の権利、そして安全に暮らす権利がある。こういった権利を守る法律にするという基本姿勢がなければ、せっかく作っても、法律を一本化しただけで消費者の役に立たない恐れもある」
 神山さんは、さらに「分かりやすい表示法ができたとしても、それを使いこなすのは私たち」とも述べた。


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