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2012. 6.19
東電の料金値上げ
政府は申請を認めるな 



 東電は、4月1日から大口向け電気料金を17%引き上げ、7月から一般家庭も平均10・28%の値上げを申請した。福島原発事故の原因をひた隠し、一方で電力不足を煽って値上げを迫る。家庭の料金は公共料金として政府の認可が必要だ。政府に認めさせてはならない。
 東電の西沢俊夫社長が記者会見で、「料金の申請は、われわれ事業者の権利です」と述べたことが利用者の反発を買った。しかし、大口電力(50kW以上)は自由化されているので、政府に料金を認可する権限はなく、東電は自由に値上げする「権利」がある。
 東電には、「利用者はそれがいやなら、他の独立系発電会社(PPS)に変更すればいい」という傲慢な姿勢がある。しかし、競争は起きていない。PPSなど電力会社以外の販売電力量シェアは、全国で3・5%の部分自由化でしかない。

 家庭から9割の利益

 電気料金制度は、「総括原価方式」とよく言われるが、それは小口だけの話で、大口は自由競争である。電力会社は、この二重構造を利用して高い利益を上げてきた。東電の家庭向け(規制部門)の販売電力量は全体の38%だが、利益の91%は家庭向け部門から上がっている。

 電気料金の基本で、アンペア単位で設定されている「基本料金」は据え置かれるが、使用した電気1kw/hごとにかかる「電気量料金単価」は大きく引き上げられる。
 3段階ある電気量料金単価のうち、最初の120kW/hまでは「17円87銭」から「19円16銭」へ7・2%、120kW/hを超え300kW/hまでは「22円86銭」から「25円71銭」へ12・5%、300kW/hを超えた部分は「24円13銭」が「29円57銭」に22・5%の値上げとなる。
 企業向けなど大口料金は既に自由化し、徐々に新規参入の発電事業者との競争が促されており、利用量が多い東電管内の上位10位の料金は1kw/h当たり平均11円80銭まで下がっている。家庭向けの同平均23円34銭と比べると半額以下だ。
 家庭向けの割高料金を続けられるのは、電力会社が総括原価方式で守られていることが第一の理由だ。総括原価方式は小口向け料金制度であり、燃料費や人件費などに一定の利益を上乗せして料金が決まる制度だ。
 第二の理由は、小口は自由化されていないので、電力会社がそれぞれの営業区域で独占的に販売し、家庭は電気の購入先を自由に選べないこと。言い値で買わされる不自由な立場に置かれている。
 さらに原燃料費調整制度も見逃せない。火力発電用の液化天然ガスなどを世界最高値で輸入し、電力業界は上がった分を料金に上乗せする。商社は、輸入手数料で史上最高の利益を上げている。

 電力資本の犠牲者だ

 高価なウラン燃料を3年先までストック、その上に緊急輸入した火力燃料費を上乗せする。そのツケを払わされる一般家庭は、電力資本本位の制度の犠牲者だ。総括原価方式は、電力資本の意向を受けた保守政党・政府が作った仕組みだ。 原発事故の反省もなく再稼働に突っ走る野田政権が、東電の値上げ申請を認めれば何をか言わんやだ。


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