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2012. 08.07
社会保障抑制*@案
自助が前面、公助は後方支援



 消費税の大増税などを内容とする社会保障と税の一体改革関連法案は、参院で採決の日程が取り沙汰される状況にある。だが、社会保障制度改革推進法案の内実は、「自助」や家族の役割をことさら強調する社会保障〃抑制〃法案であり、成立させてはならない。

 今年5月下旬に突如として始まった〃生活保護バッシング〃は、生活保護の支給を抑制し、社会保障全体を切り詰める目的で周到に準備され、展開されているものである。

 「聖域なき構造改革」路線がわがもの顔に振る舞った自民党政権は小泉内閣の時代、「骨太の方針」によって社会保障の削減策が強行されたことは、生々しく苦々しい記憶として残っている。

 「骨太の方針」は、閣議決定によるものだったが、民主党・野田政権による社会保障削減策は、この法案が成立すれば法律に基づいて実行されるだけに、さらにたちが悪いと言わざるをえない。

 自民案を丸呑み 

 民主、自民、公明の3党は6月15日、「社会保障・税一体改革」について合意し、社会保障の分野では、「社会保障制度改革推進法案を速やかに取りまとめて提出し、社会保障・税改革関連法案とともに今国会での成立を図る」としている。

 そして、合意から5日後の6月20日に3党の共同提案によって衆議院に提出され、26日に可決されたのが、社会保障制度改革推進法案である。民自公の三党協議、すなわち「密室の談合」によって決まった内容は、社会保障制度改革の基本的な考え方、社会保障制度改革国民会議の概要、の二本柱である。

  法案は、二条の「基本的な考え方」で「自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと」とうたうのである。

 つまり、国民の自己責任(自助)と共同責任(共助)を前面に出し、ことさら強調することによって、国・自治体の責任(公助)を後方支援に限定するものとなっている。

 これは、今回の生活保護バッシングの火付け役である自民党が今年2月に発表した「政策ビジョン」で打ち出し、6月上旬にまとめた社会保障制度改革基本法案そのものだ。民主党はこれを、「消費税増税さえ合意できれば、社会保障などどうなっても構わない」とばかりに丸呑みしたのである。

  憲法25条を否定

 「基本的な考え方」は、さらに「給付の重点化及び制度の運営の効率化を同時に行い、税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、負担の増大を抑制しつつ持続可能な制度実現すること」とし、社会保障給付の抑制を鮮明に打ち出す。

 また法案の付則では、「政府は生活保護制度に関し必要な見直しを行う」とし、不正受給対策や給付水準の適正化、受給者の就労促進など生活保護費の抑制を狙った項目が並んでいる。

 社会保障の抑制・制限を柱とするこの法案は、国による生存権保障を定めた憲法25条を否定する。従って、撤回、もしくは廃案が当然である。


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