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2012. 09.04
防衛白書
不毛で危険な対中国シフト


 政府・防衛省は7月末、今年版の防衛白書を発表、対中軍事シフトの強化と日米同盟の一層の拡大・強化を打ち出した。東アジアをますます軍拡競争と軍事的対峙の場にするだけの、軍産複合体の自己正当化の文書だ。


 森本防衛相は序文で北朝鮮や中国、ロシアの軍事的動きを並べ、自衛隊の「動的防衛力」構築を強調。白書は「動的防衛協力」を唱え、日米間での共同訓練、共同監視活動、施設の共同使用などを進め、防衛協力を日米韓、日米豪などに拡大するとしている。


 対中軍事シフトが柱 


 白書は、米国、東アジア、ロシア、オーストラリア、南アジア、欧州を含む各国の軍事政策を概観。米国の軍事政策は、「世界的なプレゼンスがアジア太平洋及び中東地域を強調したものになる」とし、米軍再編計画の概要を紹介している。


 一方、中国については、意思決定プロセスや国防費の「不透明性」を強調。軍の配置や兵器の能力などを詳述し、とくに中国軍の海洋進出を「できるだけ遠方の海域での敵の阻止、東シナ海や南シナ海での石油、天然ガスなどの権益獲得、自国の海上輸送路の保護」と分析。

 しかし、日本も米国も同様の戦略を持つ。日本は「シーレーン防衛」を、米国は「前方展開」「航海の自由」を掲げてきた。要するに中国は、米国や日本に遅れて同様の態勢を整えつつあると見るべきだろう。


 南西重視の動的防衛 


 政府・防衛省は、22大綱と23中期防で「動的防衛力の構築」とともに「南西方面」「島嶼防衛」重視を打ち出した。中国の海洋進出に対する封止・牽制の軍事展開戦略である。


 これに伴って陸自の定員や戦車、火砲を削減する一方で、護衛艦、潜水艦、航空警戒管制部隊、ミサイル防衛などの大幅増強を図りつつ、とくに琉球諸島への基地新設や部隊配備を急いでいる。

 太平洋の米軍再編が、ハワイ〜グアム〜オーストラリアを縦深とし、最西端に沖縄・韓国を置くというのも、中国海軍が第2列島線を超えつつあることへの布陣だ。自衛隊は、それを南西方面〜沖縄で担うというのだ。


 対米協力を最優先に


 日米軍事一体化を至上命題とする日本政府・官僚は、米議会や「知日派」さえ無理と認める辺野古新基地建設に固執、危険なオスプレイの沖縄配備と全国での訓練飛行を強行する構えで、地位協定の改定は無視。


 武器禁輸3原則に大穴をあける武器の「国際共同開発・生産」も、米国の要求と日本の軍需産業の圧力に沿うもの。米軍主導のNATOとの協力拡大はその一環でもある。


 このような軍事的威圧の姿勢が近隣諸国にかきたてる不信と警戒は、軍産官の利益にはなっても、東アジアの平和と安全は危うさを増すだけである。


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