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2012. 10.09
米報告書
日本への戦略的要求リスト


 米国の「知日派」とされるアーミテージ、ナイ両氏らの報告書「米日同盟」が8月、公表された。内容は「日米同盟」の今後を、経済、エネルギーも含め米戦略推進の観点から多角的に点検、多くの対日要求を列挙している。

 昨今、公然と打ち出されてきた「日米同盟」は、安保条約に基づくものでもなく、条約や国内法の根拠はない。だが、その内容や範囲は安保条約をはるかに超えており、米国のグローバルな戦略と行動に日本が一体となって協力、参加するというものだ。
 アーミテージ報告書は、その「日米同盟」の現状と課題を概観したうえで、日本、米国、同盟がそれぞれ今後取り組むべき目標を「勧告」としてリストアップしている。その勧告に貫く基本線は、あくまで米戦略の貫徹とそのための体制強化の姿勢である。


 日米で原発を推進


 同報告書の書き出しは、エネルギー安全保障と貿易。野田首相が「強い反対を押し切り原発を再稼働させたことは正しく責任あるもの」とし、日米は「原発を内外で推進する共通の政治的、商業的な利益を持ち、研究開発での日米協力は不可欠」と断言。
 野田内閣が「30年代末までに原発ゼロへ」との欺瞞的な政策さえ閣議決定しなかったのは、原発再開に転換し、日本が蓄積するプルトニウムを核燃料とさせてきた米国の強い要求があったからだ。
 また、日本の天然ガス需要増大を見越し、米国のシェールガスやメタンハイドレートの供給を提言し、見返りに7〜14兆円の開発・インフラ投資を「奨励」。
 さらに、TPPへの参加だけでなく、日米加メキシコによる経済・エネルギー・安全保障の「包括協定」まで提起。


 中国封止と改憲も


 軍事問題では「中国の再興」に焦点を置き、日米の「動的防衛協力」の推進、武器や情報の「共通運用性」と日本の武器輸出の拡大、日米韓の軍事協力促進、日米韓豪加NZによる「合同海洋遠征能力」などを列挙。
 さらに、「集団的自衛権の禁止は障害物」、「時代錯誤の憲法」を変えれば、「自衛隊は、より大きな役割を果たす用意ができている」とし、秘密保全法による防衛省の権限強化やPKOでの武器使用拡大などを提言。
 イランにホルムズ海峡封鎖の動きがあれば「日本は単独で掃海部隊を派遣すべき」と要求。沖縄の米軍問題は「細部」とし、日韓の歴史問題も「安全保障上の利益と将来」の観点に立つよう勧告。


 米戦略で踊る政治


 米戦略への協力に日本を一層深く組み込むという狙いは露骨だが、深刻なのは野田内閣も自民党、官僚も、この対日要求を「天の声」として、すでにそれに沿って外交や発言を行っていることだ。
 民主も自民も維新も、米戦略の手の中で踊っている。ここからは、住民の安全やアジアの共生は生まれない。


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