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2012.10.16
安倍・橋下の揃い踏み
「気色悪い」ではすまない


 安倍自民党と日本維新の会の揃い踏みは気色悪い。しかし自民党は「維新」と総選挙で「対決」すると言うし、保守的なメディアも維新叩きを始め、世論調査も人気下降。しかし「やっぱり維新なんて浮草」ですむのだろうか。


「橋下的」の発生源


 安倍晋三新総裁は一時「維新」が担ごうとした人物だが、自民党の権力を手にしたら、維新とは総選挙で「ライバルとして対峙」すると明言。自民党の「維新熱」は冷め、マスメディアも多くは「維新」批判に転じた。

 だが、安倍総裁の腹心・菅義偉副幹事長と橋下氏との仲は濃密で、安倍氏も「憲法改正には維新のパワーは必要」と公言している。
 解散・総選挙を挟んで、維新と安倍自民党、そして民主党改憲派なども含め複雑怪奇な政界再編が続くだろう。ただその際、維新自体の強大化は考えにくい。
 公認権、主要役員の任命権など権限を代表に集中する規約など、近代政党に通用しない。「八策」も保守派からすら「荒唐無稽」と揶揄され、ジェンダー視点の欠落など致命的だ。しかし「維新は破綻する」と片付けてはならない。


 問題は、「橋下的なもの」を生む経済的・社会的な長期危機であり、生存の不安定さに直面する民衆の期待に応える護憲・左派勢力の後退・分散にある。ここが改まらない限り、第二第三の「橋下」が呼び出され、民主主義を揺さぶり、人権も命も環境も平和憲法も破壊される。


 改憲勢力総体が右へ


 社会主義勢力が強力だった戦前のドイツでは、世界恐慌は直ちに革命的な危機に連動した。だから没落中間層の革命への不安感からナチスが急伸し、社会主義勢力をゲバルトでつぶし、いわゆる「下からのファシズム」を完成した。

 日本では、2・26事件の主役だった尖鋭なファッショ勢力と陸軍・皇道派は統制派に鎮圧された。弱体な無産政党と労働組合の大勢はファッショに協力していき、ナチスのような対抗勢力を育成する必要もなかった。かくて日本では、「上からのファシズム」が完成した。
 歴史的な諸条件が異なる今日、ファシズムが迫っているわけではない。しかし改憲は間違いなく迫っており、新自由主義に反対する護憲勢力は、国会では30年代日本の無産政党よりも少数だ。
 だから、「橋下」的な勢力は、労働組合や自治体議会の護憲派を殲滅するために大いに利用されるが、ナチスのように強大化し、「新憲法」制定の主役にはなりにくい。

 日本の支配者は、かつて皇道派を使い捨てて翼賛体制を確立したように、維新を利用して改憲勢力本流をさらに右に寄せるだろう。急ぐべきはこれに対抗しうる勢力の形成だ。

 「新自由主義に対抗する政治勢力の結集」を掲げた新社会党と社民党の協定の具体化が、問われるのである。


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