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2012.11.20
再審無罪
第三者機関で冤罪の検証を


 「東電OL殺人事件」の犯人とされ、15年間も獄に繋がれたネパール人ゴビンダ・プラサド・マイナリさんの無罪が再審で確定した。この冤罪事件は、刑事司法の闇を見せた。冤罪を再び犯さないため、第三者機関の検証が必要だ。


 「日本のけいさつ けんさつ さいばんしょはよくかんがえて わるいところをなおして下さい」 
 無罪判決を受け、マイナリさんが支援団体を通じて公表した手書きのコメントの一部である。
 東京高裁で無罪判決が言い渡された後、記者会見した主任弁護人の神山啓史弁護士は、「一番反省すべきは裁判所。第三者機関の検証を受けるべきだ」と厳しく指摘した。
 神山さんはまた、「(無罪判決の)一審が示した疑問を解消せず、高裁と最高裁は(一審判決を)間違っていると決め付けた」とも批判し、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則がないがしろにされたことに憤った。


 無実の叫びを聞け


 検察官の主導で進められる現在の刑事裁判は、「検察官司法」とも呼ばれ、批判されている。マイナリさんを冤罪事件に陥れた背景には、検察官言いなりの裁判官の実態があることは間違いない。
 強大な権限と組織をもって検察が起訴した刑事事件を、裁判官が検察官の言うことと違う結論を出すことは難しいのかもしれない。99・9%という有罪率の現状のなかで、裁判官が、「有罪ボケ」しているともいえる。
 だが、少なくともマイナリさんは一貫して「僕はやっていない」と主張し、一審は検察の主張に疑問を指摘して無罪としたのである。高裁、最高裁にはマイナリさんの無実の叫びを素直に聞く姿勢が必要だった。
 そして、もう一つの大きな教訓は証拠開示問題。この事件でもそうだが、検察は、すべての証拠を開示する義務がないことを盾に、自らに不利となり得る証拠を長く開示せず、最新技術に基づくDNA型鑑定を遅らせる結果となった。
 弁護側には、いったいどのような証拠が存在するのか、そもそも分からない。冤罪を防ぐためにも、検察がすべての証拠を開示することを法律によって義務付けるべきである。
 もちろん、証拠を再鑑定可能な状態で保存することも義務づける必要がある。

 
 上訴を禁止すべき


 さらに、一審が無罪とした判決では検察の上訴を禁止すべきである。検察が被告を有罪とした裁判で、裁判所が疑義を表明したのであるから上訴すべきでない。「疑わしきは被告の利益に」という刑事司法の鉄則にも叶う制度である。
 マイナリさんは、コメントのなかで「さいしょの無罪はんけつがただしかったことが やっとあきらかになりました」とも述べている。
 罪人を罰することよりも、罪なき人を罰しないことのほうがはるかに大切なのである。


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