新社会党
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2012.12.04
争点のTPP
99%を犠牲にする参加


 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉への参加問題は、総選挙の大きな争点だ。民主党や日本維新は参加、自民党や公明党はあいまい、社民党や共産党などは反対を鮮明に打ち出している。新社会党はもちろん反対だ。


 鳩山由紀夫元首相などは、消費税増税やTPP反対で引退に追い込まれた。
 TPPに参加すれば、農業生産額は年間で4兆1000億円減少、食料自給率(カロリーベース)は現在の40%から14%に急降下する。これは、農水省の試算だが、この数字を見れば、鳩山元首相ならずとも、多少ものの分かる人なら反対が当然だろう。


 農業関連で8兆円


 さらに国内農業の壊滅的な打撃によって、国土や環境の保全など農業の持つ多面的機能も金額換算で3兆7000億円失うなど、打撃は地域経済・社会・環境に及ぶという。
 国益の損失≠ェ、農業関連だけでも総額8兆円になるにもかかわらず、菅・野田と2代の民主党内閣がTPPを含む経済連携協定の推進に前のめりなのは、日本の成長戦略にとって経済成長の見込めるアジア・太平洋地域への輸出拡大が不可欠とする財界の要求があるからだ。 
 アジア・太平洋地域の国々との貿易をもっと盛んにしたいというなら、二国間のFTA(自由貿易協定)を進めればいい。FTAは、お互いに関税撤廃の難しい分野については認め合い、柔軟性をもって互恵的に対処できるから、「まだまし」と言える。 
 だが、TPPは違う。関税撤廃に例外はなく、コメや乳製品など、ぎりぎりのところで守られてきた農産物がすべてゼロ関税になる。コメ1俵(60キログラム)の生産費が1万4000円かかる日本と、わずか2000円程度のアメリカとでは、すでに勝負がついている。 
 TPPに参加すれば、主食のコメの生産ですら維持できなくなることは火を見るより明らかだ。しかも、戦略的な農産物輸出国であるアメリカはコメなどを安く輸出するために農家に毎年1兆円も補助している。これに対して、日本では輸出補助金はゼロだ。


 国民生活全て破壊 


 さらに問題は、農業分野だけに止まらず、国民生活の全般に及ぶことだ。食の安全、医療や医薬品、保険、郵便貯金、建設、労働者の移動など、カネ・モノ・ヒトなど国境を越えるものについて、敷居を限りなく低く、ゼロにしようというのだから影響・打撃の大きさははかり知れない。 
 TPPには、加えて「ISD条項」がある。アメリカの保険会社が、「日本の国民健康保険が参入障壁だ」と言って国際裁判所に提訴すれば、損害賠償請求が認められ、制度の撤廃に追い込まれることになるのである。 
 このようにTPPの本質は、アメリカ主導で徹底的な規制緩和を行い、1%の利益のために99%を犠牲にするものだ。


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