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2012.12.18
朝鮮高校無償化
日本人が誇り持てる国に


 今年4月から9月に私立高校を経済的理由で中退した生徒は、98年の調査開始以来、「最少」になったという。「高校無償化制度」の大きな成果だが、朝鮮学校だけが適用対象から除外されたままだ。除外の理由、根拠は何もないのに。


 民主党政権が10年度から実施した「高校無償化制度」は、日本のすべての高等学校、専修学校、外国人学校の青少年たちが経済的理由だけで教育の機会を奪われないよう、該当する生徒たちに授業料を支援するという画期的な制度で高く評価されている。
 一方で、適用除外された朝鮮学校の生徒たちは、学ぶ権利を著しく侵害され、保護者も大きな負担を強いられている。田中真紀子文科相が10月初めに「政治的判断をする時期に来ている」と述べたが、今はほとんど期待を持てない状況だ。
 朝鮮学校の生徒や父母などの申入れに文科省側は、「慎重に審査している。時間がかかっていることは申し訳ない」と答えるが、今さら何を審査しなくてはならないのか。制度は教育保障の問題で、外交や政治と一緒にすることがあってはならず、審査自体が問題なのである。


 育てる義務ある


 朝鮮学校は、日本の歴史と深く結び付いている。日本が朝鮮半島を植民地にしたために、朝鮮人が朝鮮人として育つことができなかった。子どもたちは、朝鮮語を学ぶ機会がなかった。そこで在日の人たちが力を合わせて、「国語教習所」を作った。それがだんだん育って朝鮮学校になっていった。


 朝鮮学校は奪われた言語を取り戻すための学校で、この点がほかの外国人学校と違う。だから、朝鮮学校には日本政府が一番責任を負わなくてはならず、育てる義務があった。それなのに冷遇し、弾圧することをずっとやってきた。
 そうしたなか、チマチョゴリを着て学校に行けなくなっている日本社会の悲しい現実がある。朝鮮人に対する根深い差別感情があって、なにかあるとチマチョゴリを着た生徒が傷つけられ、とうとう彼女たちは第二制服で学校に行かざるを得なくなっている。
 だが、一方で無償化を求める朝鮮学校の生徒や父母と一緒になって、不当な差別と闘っている日本人も数多くいる。そのことは、この秋の3カ月半の間にトータル27万を超える署名が集まったことにも示されている。


 日本人を映す鏡


 東京朝鮮高級学校2年の生徒は、「無償化が適用されないために、経済的事情で日本人学校に行かざるをえなかった友達を何人も見てきた。そのたびに心が痛かったし、なぜ日本社会で朝鮮人として堂々と生きていけないのだろうと思った」と無償化の即時適用を求めていた。
 朝鮮学校は日本人の在り様を映し出す鏡、と言う人がいる。日本人を映す鏡が曇らないように、日本人が誇りをもって生きられる社会にしなければならない。


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