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2013.03.05
日米首脳会談
米国の手の内で踊った安倍氏



 2月23日(日本時間)、安倍首相とオバマ大統領がワシントンで会談した。安倍氏は「日米同盟が完全復活」と自賛するが、米側は、安倍氏に米国の戦略的要求を丸のみさせ、彼の独善的な主張は体よくいなすという姿勢を貫いた。
 安倍氏は、オバマ大統領再任直後の1月にも首脳会談を求めたが、「多忙」と断られ、次は「集団的自衛権行使」論への公式信任≠演出しようとした。
 だが米側は、歴史認識さえ歪めようとする安倍氏を安直におだてず、日本が米国の戦略的利益に沿って動くこと、その具体的推進を安倍氏が公式に約束することを求め、見返りは何の譲歩もないリップサービスだった。


 米戦略への「忠誠」


 首脳会談で出された「日米同盟強化」や辺野古新基地建設の促進、北朝鮮への制裁強化などは、従来からの合意の再確認である。
 新規に安倍氏が持ち出した「原発稼働ゼロの見直し」やシェールガスの輸出承認要請、TPP交渉参加への転換は、昨年8月に出た米国の対日要求リストである「アーミテージ報告」の路線そのまま。これらには、沖縄県民への重圧や原発ゼロを求める圧倒的世論も眼中にない。
 安倍氏は、「集団的自衛権の行使容認に向け議論を進めている」と説明。この憲法無視の持論は、同報告の要求でもある。また、米軍の早期警戒Xバンドレーダーの追加配備、ミサイル防衛協力の推進、日米防衛ガイドライン再改定など、日米で打ち合わせ済みの軍事一体化路線の促進を強調した。
 だがオバマ氏は、尖閣問題で悪化している日中関係がこれ以上険悪化して米中関係に響くことを避けるため、安倍氏の解釈変更論への「支持表明」はせず、会談後の共同記者会見も開かれなかった。
 安倍氏は戦略国際問題研究所で「(中国の)挑戦を容認できない。我が国の決意を判断ミスすべきでない」とも演説。中国は、「首脳会談の成果は限定的」としつつ、安倍発言には「中国脅威論を煽るもの」と反発。


 TPP交渉参加へ

 こうして安倍氏の最大の手土産は、米国の経済戦略の柱であるTPP交渉参加への転換となった。TPP参加は日本農業などに大打撃を与えることから、与党内でも反対の声が強いが、安倍氏は会談の結果、「聖域なき関税撤廃は前提ではないことが明確になった」と自賛し、交渉参加に転換した。

 だが共同声明は、「すべての物品が交渉対象」が前提で、「日本には一定の農産品、米国には一定の工業品という二国間貿易での機微な問題がある」、「交渉参加に際し、一方的にすべての関税撤廃をあらかじめ約束することを求められるものではない」は単なる注釈だ。 

 多国間交渉での農産物の関税撤廃などの道は仕込まれており、米国の手の内で踊っただけの安倍氏の言葉に騙されてはならない。


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