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2013.03.19
「総選挙は違憲」判決
制度そのものが憲法違反だ



 弁護士グループが訴えた一票の格差裁判で「現行区割りで行われた昨年の衆院選は憲法違反」とする東京高裁判決を報じる東京新聞3月7日号の朝刊1面には、「改憲 資格なし」という至極もっともな見出し・解説記事があった。


 議席に結び付かない「死票」が、過去最高の3730万票(56・0%)に上った小選挙区制度で選ばれた衆院議員が、「正当に選挙された代表者」(憲法前文)であるはずがなく、まして憲法を云々する資格などないことは当然だ。
 最高裁が09年衆院選は「違憲状態」と判断して2年、昨年衆院選は「違憲」と判断された。一票の格差が最大2・43倍となった選挙は違憲として、弁護士グループが東京1区の選挙無効を訴えた訴訟に対する東京高裁の判決である。


 存在の根拠を否定


 判決について東京新聞は、「今、バッジを着けている480人の衆院議員は、存在の根拠が否定された。まさに違憲国会だ」とし、「国会内では、改憲を目指す機運が高まっているが、違憲と判断された立法府に改憲を発議する資格があるはずがない」と続ける。安倍内閣の正当性も問われる。
 衆議院に小選挙区比例代表並立制の現行制度が導入された後、02年の区割り改定時の格差は2・03倍、09年選挙は2・30倍、そして昨年選挙では2・43倍まで広がったのである。
 憲法前文の「正当な選挙」、憲法43条の「全国民を代表する選挙された議員」であるには、「清き一票」に格差は原則あってはならない。少なくとも一人が二人分の権利を行使することは論外だ。


 今回の判決は、人口動態の変動に合わせて区割りを変更する現行制度そのものの破綻宣告だ。われわれは、民意の半数を切り捨てる小選挙区制度は主権在民を柱とする憲法に違反すると94年の「政治改革国会」以来、指摘してきた。

 それでも小選挙区比例代表制度は導入された。当時、「政権交代可能な二大政党政治を実現するため」という大義名分が幅を利かせた。だが、今回の総選挙は、得票率43%で8割の議席を得た巨大自民党とミドル・ミニ野党という結果だ。「大義名分」が幻想だったことは、誰の目にも明らかだ。


 民意歪む比例削減


 しかし、今国会でにぎやかになっているのは比例定数の削減だ。民意を比較的反映する比例区の定数を削減すれば、民意はますます歪む。 

 東京高裁判決は、昨年の国会解散の日に成立した「0増5減」を評価して無効(やり直し)判断は避けたが、今月27日の仙台高裁秋田支部の判決まで16件の訴訟で、「違憲判決」が続くとみられる。 
 問題は、現行制度で選挙を行う区割りの手直しでなく、現行の小選挙区比例代表並立制が憲法違反だということ。今必要なことは、民意を反映できる比例代表制度を基本とした制度の確立だ。


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