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2013.05.07
原発の新基準案
フクシマから何も学んでない



 

 原発の新しい規制基準案が4月10日、原子力規制員会から提示された。7月から施行される予定だが、大幅な強化を装いながら、内実は基本的に福島事故を無視するものであり、再稼働や新設を推進するためのものになりかねない。


 原子力規制委員会が作ろうとしている新規制基準案は基本から誤っている。
 第一に、福島事故を究明した上での基準案ではない。放射能があふれた事故現場では、格納容器のどこが破れているかを特定することさえできていない。ましてや、格納容器内の原子炉周辺の配管、冷却水供給配管や再循環配管や主蒸気配管や、各種の緊急冷却配管や制御棒案内管等々が、どのような状態であるかは把握できていない。

 亀裂や破断がどこにどのように発生しているのかが分からない。津波以前に、地震によって亀裂や破断が発生した可能性が大きい。これが主因で冷却材喪失・炉心溶融・水素爆発になったとしたら、防潮堤をいかに高くしようが、通常の制御室の他に制御室を造ろうが、作業拠点のいかに頑丈な免震施設を造ろうが、気休めでしかない。
 ひとたび過酷事故となると、人が近寄ってベントのバルブを操作したりすること自体が困難となる。圧力計も水位計も温度計等々も破損するか、信頼性がなくなって、的確な制御が不能となる。


 不可欠な対策が


 第二に、過酷事故になれば、高レベル汚染水があふれてしまうことを今の福島が示している。原子炉・格納容器の建屋などは、側面からも底部からも地下水から遮蔽することが不可欠である。
 海の深刻な汚染を防ぐためには、再稼働する前にどこの原発も実施するべき工事である。それが高くつきすぎて、採算に合わないというのなら、再稼働は全てやめるしかない。
 第三に、再稼働や新設のための新基準であるとすれば、使用済み燃料や高レベル廃棄物を、どこにどう処理・処分するのか、具体的に決めてからでなくては、旧規制基準と基本的に違わない。


 推進の為の規制


 第四に、大飯3、4号機の下にある断層は、4人の専門家の調査でも活断層らしいことになったのに、詳細調査を後で実施するからと、その決定を先に延ばして、稼働を許していることからも、すでに規制委員会の実像が浮き彫りになっており、新基準を決める資格などはない。
 そもそも原子力規制委員会なるものは原子力基本法に基づいて開発を推進するための国家機関であって、マフィアのごとき独占資本の恥部を隠すためのイチジクの葉でしかない。
 7月からはこれに基づいて、多くの原発を再稼働に導きながら、40年を超えるものは20年の稼働延長を認め、新設も許可していく算段であろう。このような規制委員会に期待することなく、労働者と市民の闘いを強化するしかない。


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