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2013.06.04
もんじゅ使用停止
核燃サイクル・原発は破綻



 

 原子力規制委員会が出した高速増殖炉もんじゅの使用停止命令は、当然のこととは言え、遅きに失している。これは、核燃料サイクル全体の破綻を意味する。天然ウランの主成分が利用できないことで、原発は資源的にも破綻だ。


 高速増殖炉がいかに安全性も経済性も成り立ちえないものかは、世界的に明らかになり、20年も前に米英独仏などは開発をやめた。とくに先行して実用化を試みた仏の実証炉「スーパー・フェニックス」で破綻が十分に実証されている。
 なかんずく地震列島に、ナトリウムを冷却材とする原子炉が許されてよいわけがない。
 

 規制委も驚く実態


 この機構で「もんじゅ」に携わる人々もこの事実を知らないはずはない。知っていたからこそ本気度もそがれ、うち続く事故にも、必要な1万点もの機器点検を怠ってきたのではないか。
 「安全についての基本認識に欠けている。こういう組織が存続していること自体が問題だ」と規制委員会の嶋崎邦彦委員長代理が批判せざるを得ないほどになっているのだ。
 もんじゅにはすでに1兆円の国費が費やされた。停止したままでも1年間の維持費は174億円もかかる。冷却材のナトリウムが固まらないように熱し続ける電力だけでももったいない。速やかに廃炉とするしかない。


 再処理工場も無用


 「夢の原子炉」が悪夢と消えたら、六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場も無用の長物となる。ここで精製されるプルトニウムを使って、天然ウランの主成分である非核分裂性のウラン238を、高速増殖炉で核分裂性のプルトニウム239に転換して活用するのが目的だ。
 再処理工場は予定の3倍の建設費を使って、2000年に使用済み燃料の受け入れを開始したが、事故続きで試験稼働にさえ耐えない。稼働しなくても維持費だけで年に1100億円もかかる。
 もんじゅと再処理工場の核燃サイクルは、すでに10兆円浪費した。ここから生まれる高レベル廃棄物(硝酸溶液)のガラス固化設備もまともに稼働できない。
 再処理は被覆管に閉じ込められている放射能を大量放出するだけでも、やってはならないことであるが、高レベル廃液タンクの冷却に失敗すれば、爆発飛散により広範な人命を奪う。再処理工場も、速やかに廃止するしかない。


 大悲劇防ぐために


 十分に改善されたと規制委が判断すれば、もんじゅの停止命令は解除される道も残されている。もし強引に稼働させれば、悲劇的な大事故によって従事者も住民も命を奪われ、西日本も、東日本も、日本海も壊滅的に汚染されるのは時間の問題となる。


 だが、核兵器用の高純度な核分裂性プルトニウムが得られるから、廃炉にしたくないという勢力が少なくないだけに予断を許さない。

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