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  4. 2013.07.02
2013.7.2
米国の諜報活動
世界の市民が監視されている



 

 「自由を何より尊ぶ」はずの米国政府が、テロ対策を名目に地球上を飛び交う電子通信から個人情報を傍受・集積していたことが内部告発で明らかになった。市民サイドの監視とチェック、闘いの大切さが浮き彫りになっている。


 テロ対策を名目に米国の情報機関「国家安全保障局」(NSA)がメールなど世界中を日々行き交う個人情報を極秘に収集し、NSAと連邦捜査局(FBI)が分析・収集していたことが内部告発によって暴露された。


 両立しない矛盾


 オバマ大統領は、政府のこうした諜報活動について苦渋に満ちた表情で、「完全な安全保障と完全なプライバシーの両立はありえない」などと弁明した。
 大統領は、情報収集には法的根拠があり、議会の承認を得ていたと合法性を強調し、「(安全保障とプライバシー保護の)均衡をいかに図るべきか、議論すべきだ」とも述べた。だが、両者の両立など「矛盾」以外の何物でもない。
 オバマ氏自身は、「愛国者法」によって令状なしの情報収集を行ったブッシュ前政権の対テロ手法を厳しく批判して政権についた。それだけに、前政権が導入した極秘情報収集プログラム「PRISM」を継承したことが暴露されたことに深刻な「矛盾」を感じているだろう。


 米政府は今回、PRISMが07年に導入されたことなどその存在を初めて明らかにしたが、米国に拠点を置くアップルやグーグルなどIT大手9社が協力し、オバマ政権になって協力企業は3倍に増えたことも明らかになった。今年5月には、米司法省がAP通信記者の通話記録を入手した事件も明るみに出ている。
 戦争中毒のブッシュ政権に嫌気が差し、クリーンを売り物にしたオバマを選んだ米国民も、「オバマだって」という思いを強くしているのかも知れない。


 権力の本質露呈


 だが、翻ってみれば、露骨にやるか、こっそりやるか、徹底的にやるか、ほどほどにやるかは別にして、「権力とはそうしたもの」ということだ。権力は自らの情報は隠し、市民の情報は総合的に把握し、一元的に管理しようとする。
 世界の警察官として君臨してきた米国は、世界の国家と市民の情報を収集しようと1952年、国防総省の情報機関として極秘裏にNSAを創設したが、その存在は長らくベールに包まれてきた。
 米英など英語圏5カ国の情報機関は「エシュロン」と呼ばれる巨大な通信傍受システムで連携しているといわれるが、その姿は闇に包まれたままだ。


 今回明らかになったNSAの存在に、エシュロンの姿を垣間見ることができるというが、市民に対する監視は強まっていることが明らかになった。市民の側からの監視・チェックの必要性・重要性がますます高まっていることも明らかにした事件である。

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