新社会党
  1. トップ
  2. 週刊新社会
  3. 道しるべ
  4. 2013.08.06
2013.8.06
   
防衛白書
「専守防衛」越える意図が露骨



 
 2013年度の「防衛白書」が出た。白書は、防衛政策の現状や実態を毎年公表したものだ。日本の安全保障問題を考えるとき、白書に加え、防衛計画の大綱の見直しの「中間報告」など、関係資料を合わせて検討する必要がある。


 3つの戦略の強化


 白書は、日本の防衛戦略は、第一により深化した米国との軍事一体化、第二に消極的防衛から動的防衛戦略の強化、第三に自衛隊のグローバル化が主要な点であるとする。
 これらを進めるため、米軍との共同訓練や情報・指令の共有化、さらに米韓豪を軸にしたアジア・太平洋防衛戦略と共同訓練の強化。動的防衛力では自衛隊を「南西シフト」させ、その訓練と南西諸島方面への配備・定着のため、尖閣列島や海洋権益を巡る中国との軋轢、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の人工衛星発射を巡る騒動をチャンスとばかり、自衛隊の装備や部隊の再編を進めている。
 また、国連を利用した、諸外国の民生復興や災害救助に名を借りた「グローバルな自衛隊」の世界的な展開をも狙う。 白書はこうした方向の中で書かれ、安倍内閣の軍事戦略を貫くため、憲法「改正」を頂点に、防衛関係法令と諸政策の改定を急ピッチで進めようとしている。


 国家安全保障会議


 今年度の防衛白書を見ると、「概観」で、現在の安全保障の環境は、中国、ロシア、北朝鮮などによる「不安定化要因」が、「顕在化・先鋭化・深刻化」し、国際環境が悪化していると指摘する。
 その次の第4節では唐突に、「国家安全保障会議の創設」に触れる。同会議設置法案は、先の通常国会に提出され、継続審議となっている。「ねじれ」を解消した安倍内閣は、秋の臨時国会で国家安全保障基本法、さらには秘密保全法と一体の成立を狙う。
 これらの法体系の整備は、集団的自衛権の行使の容認、武器輸出の緩和など、憲法9条を食い破り、憲法改悪を先取りするものであり、国会内外の闘いを盛り上げ、阻止しなくてはならない。


 敵基地攻撃も浮上


 また、白書の「コラム」で国会などの防衛に関する議論を紹介しているが、「いわゆる敵基地攻撃は、自衛権発動の三要件を満たし、他に手段がないと認められる限りにおいて憲法上も許される」と述べ、敵基地先制攻撃が個別的自衛権の範囲との見解を披瀝するのである。
 このように白書には、防衛省・自衛隊の恣意的・独善的な意向・表現が際立つ。7月26日に発表された防衛大綱の中間報告や防衛研究所の「東アジア戦略概観」の「日本検証・動的防衛力」を見ると、「専守防衛」を大幅に逸脱する軍事戦略が描かれている。
 こうした方向は、参院選で圧勝した安倍政権がいよいよその本性を露にし、暴走を始める宣言であり、憲法改悪阻止へ闘う決意を新たにしなくてはならない。


 ↑上にもどる
一覧へ
トップへ