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2013.10.01
   
婚外子差別は違憲
速やかに民法を改正せよ



 
 最高裁大法廷は9月4日、民法の婚外子相続分規定について憲法違反であると決定した。あまりにも遅きに失したとは言え、保守的な最高裁がした大英断だ。法制審議会の答申から17年も経つ。国会は速やかに法改正すべきである。


 今回の判決は、結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を、結婚している夫婦の子の半分とする民法の規定が、「法の下の平等」を保障する憲法に違反するかどうかが争われた2件の家事審判特別抗告審の決定で、裁判官14人全員一致の意見である。
 法制審議会が1996年、17年前に婚外子相続差別撤廃や選択的夫婦別姓制度導入に向けた民法改正の法律案要綱を答申したにもかかわらず、今日まで法改正には至っていない。
 大法廷が95年に規定を合憲と判断した際、「国会における立法作業によるべきである」との補足意見が付されていた。
 2003年以降は「極めて違憲の疑いが濃い」として、立法府に法改正を促してきた。大阪高裁も11年、「区別を放置することは立法府の裁量判断の限界を超えている」と厳しく指摘したが、国会は放置してきた。


 法律が差別を保証


 日本政府は国際機関や国際人権団体から、国連女性差別撤廃条約や人権条約、子どもの権利条約などを批准しながら、差別を存続させていると再三にわたって指摘されてきた。
 子どもは生まれてくる環境に何ら責任はなく、婚姻及び家族関係における差別は撤廃されなければならない。人は生れながらにして平等であり、人として尊ばれなければならないという近代市民社会の理念に照らして、婚外子差別はあまりに前近代的である。

  「家族形態の多様化や国民意識の変化などを考慮すると、親が結婚していないという選択の余地がない理由で子に不利益を及ぼすことは許されない」と最高裁が今回、95年の合憲判断を見直したことは、立法府に期待できないと判断した決意の表れである。
 だが、国会の質疑で「合憲」判断を理由に法改正に慎重な意見が出たことは、最高裁が立法不作為を助長したと指摘せざるを得ない。
 自身も婚外子として差別に苦しんだ作家の落合恵子さんは、「法が差別を保証する怖さに気づく必要がある」と指摘する。違憲判決が出たとは言え、当事者の苦しみや不利益を考えると、あまりにも長い時間を要した。国会が違憲判断を真摯に受け止め、一日も早く法改正することを要求する。


 別姓訴訟でも示せ


 そして、夫婦別姓を認めない民法の規定は憲法違反だとして、別姓を続けるため事実婚をしている主婦ら5人が国に賠償を求めた訴訟の判決で東京地裁は今年5月、原告側の請求を棄却している。いずれ最高裁の判断が求められる時が来るだろうが、速やかに世界標準の判決を示してもらいたい。


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