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2013.10.08
   
原発被害者支援
1ミリシーベルトを基準にすべきだ



 
 政府・復興庁は、「子ども被災者生活支援法」に基づいて策定した福島第一原発事故の被害者の健康不安解消や避難生活の安定をめざす基本方針案で、福島県内の33市町村を対象地域とした。地域指定は、支援法の理念とかけ離れている。


 子ども被災者生活支援法は昨年6月、超党派の議員立法で提案され、全会一致で可決、成立した。
 支援法は、放射線量が一定基準以上の地域を「支援対象地域」とし、国が住宅や医療面で被害者を支援すると規定。支援対象地域での居住や避難、避難からの帰還いずれについても、個人の選択を尊重するとしている。


 被曝線量の基準


 支援法は、放射線が人の健康にどういう被害を与えるかということについて明らかにしていない。だから、予防原則に基づいて判断しなくてはならず、事故以前に一般市民の被曝限度量は明確に1ミリシーベルトと決められていた。
 国民と政府との約束事であり、事故が起きたからといって、反古にされていいわけはない。従って、支援対象地域は「1ミリシーベルト」を基準とすべきだ。1ミリシーベルトが科学的に安全かどうかという論争ではなく、法的に元々決まっていたことを政府は守る義務がある。
 ところが、復興庁が公表した基本方針案は、放射線量の基準を定めず、福島県内33市町村を支援対象地域とした。本末転倒と言うほかなく、パブリックコメントには、対象から外れた茨城、栃木、千葉3県の13市が批判のコメントを送ったと伝えられる。


 被害者の声聴け


 そもそも支援法は、各省庁や福島県がバラバラに行ってきた施策を、地元にとどまった人、避難した人、地元に帰る人それぞれの立場から何が必要なのかを明らかにし、それぞれに対応できる全体的な計画を作ることを目的にしている。
 基本方針を作る前に被害者の意見を聴くことも定めているが、国はじかに聴く機会を設けることはなかった。パブコメでお茶を濁そうというのであれば、被害者分断・切捨てを最初から意図したと言わざるをえない。
 しかも、政府の避難者の早期帰還促進の方針を受け、原子力規制委員会の「帰還に向けた安全・安心を対策に関する検討チーム」が初会合を開くなど、「帰還ありき」の動きが活発になっている。
 支援策の地域指定や早期帰還促進は、支援法の理念とはかけ離れた、本末転倒の動きと言わざるをえない。


 方針は作り直せ


 郡山市から静岡県に避難している長谷川克己さんは、「子ども被災者支援法が実施されたからといって、被曝者が抱えている問題がすべて解決することはない。子ども被災者支援法にかける望みは、一人ひとりの権利を確認する、獲得すること」と訴える。
 国は、被害者の声に耳を傾け、基本方針を早急に作り直すべきだ。


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