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2013.11.12
   
民法改正への抵抗
違憲立法審査権の否定だ



 

 政府は、「民法の婚外子相続分規定は憲法に違反する」との最高裁判決(9月4日)を受けて、民法改正案の臨時国会での成立をめざしている。自民党内の強い反対・抵抗で遅れていたが、5日やっと了承されて成立の見通しとなった。

 

 

 今回の法改正は、結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を、結婚している夫婦の子の半分とする民法の規定を削除するものだ。

 最高裁判決は、民法の規定が「法の下の平等」を保障する憲法に違反するかどうかが争われた家事審判特別抗告審の決定で、裁判官14人全員一致の意見だ。



 
時代錯誤の自民党

 

 ところが、「最高裁はわれわれの常識とは違うが、現行憲法を結びつけると今回の決定になる。現行憲法が間違っている」という見解を披瀝する方がいる。自民党の西田昌司参院議員である。

 自民党には、「婚外子をどんどん認めていくと、法律婚の割合が減る」「最高裁の決定は踏み込み過ぎだ。民法の規定は国民感情に沿ったものだ」という意見もあるという。

 民法改正に反対・抵抗する西田議員をはじめとする方々は、三権分立が持つ意味についてはもちろん、「法の下の平等」という近代市民社会の認識すら持ち合わせていないようだ。それは、自民党改憲案にある古い家族主義そのものだ。



 
憲法施行の時から

 

 過去に、民法の婚外子相続分規定の最高裁判決の際に2回にわたって、「婚外子差別は憲法違反」とする少数意見を書いた元最高裁判事の泉徳治弁護士は、その著書で司法の違憲立法審査権は民主主義・人権を守る基本という趣旨の見解を明らかにしている。

 また、泉さんは10月に都内で開かれた「民法改正実現を!国会の決断を求めるシンポジウム」で、「婚外子の相続分差別は、1947年5月3日の憲法施行当時から憲法違反である。裁判所は違憲決定に至るまでに66年間を要した」とも述べている。

 泉さんはさらに、「憲法81条で、最高裁は法律が憲法に適合するかどうかを決定する権限を有する終審裁判所であると書いている。最高裁が違憲としたものは、速やかに提出していただかなければならない。そうでないと、三権分立の日本の統治システムは成り立たない」と述べた。



 
子どもに責任なし



 法制審議会が17年前の1996年、婚外子相続差別撤廃や選択的夫婦別姓制度導入に向けた民法改正の法律案要綱を答申したにもかかわらず、一部の頑迷な保守派の抵抗で、今日にいたるまで法改正はできていない。

 子どもは生まれてくる環境に何ら責任はなく、婚姻及び家族関係における差別は撤廃されなければならない。人は生まれながらにして平等であり、人として尊ばれなければならないという近代市民社会の理念に照らして、婚外子差別はあまりに前近代的である。


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