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2013.12.10
   
「減反」廃止
TPPのため小農・零細を犠牲



 

 政府・農水省は11月26日、「農林水産業・地域の活力創造本部」(本部長=安倍晋三首相)の会合を開き、減反廃止(生産調整見直し)などを柱とすると新たなコメ政策を決定した。TPPのために小農・零細農家を切捨てるものだ。


 去る10月25日に産業競争力会議の議論を受けて安倍首相が問題提起し、たった1カ月で大転換を行ったのである。これは、「減反廃止」を日本がTPPに参加する条件としてきた米国や財界の圧力と、国会で圧倒的多数を占める政府・与党のおごり以外の何物でもない。内閣法制局長官の首のすげ替えや、特定秘密保護法の衆院突破などと同じ暴挙だ。


 自給率低下が進む


 TPPの年内妥結をにらんだ新たなコメ政策によって、小農・零細農家の切捨て、中山間地農業の衰退・農山村集落の崩壊、自給率低下が進むことは間違いない。このため農業者はじめ国民から多くの反対と批判の声が上がっている。
 その第一はあまりにも拙速、現場無視という批判だ。減反廃止は選挙公約に入っていないのに突然提起され、現場では多くの不安や不信、戸惑いが見られる。
 とりわけ戸別所得補償制度(経営所得安定対策)で設定された米直接支払交付金(10アール当り1万5000円)の減額は、農家の営農・生活設計を狂わせるとの批判が強く、当初の5000円が7500円に上がったものの、制度がコロコロ変わる猫の目農政の典型だと農家から大顰蹙(ひんしゅく)を買っている。
 また、地域の活力創造と言いながら地域と相談、意見を聞くこともせず、上から押し付けるやり方には、不満が大きい。「同じ結論でも集落営農や直売所も含めてじっくり地域農業について話し合えば理解が進むのに」という人も多い。
 

 初めから眼中なし


 さらに、「初めに結論ありきの巧言令色農政」という鋭い指摘である。
 「TPP妥結で安い農産物が入ってくる。これに対抗できる日本農業の体質強化が必要だとか何とか言うが、高齢化(平均年齢70歳以上)、限界集落、集落崩壊、耕作放棄地の拡大、後継者不足、山の荒れ放題を野放しにして中山間地農業をつぶしながら、今さら体質強化もくそもない。初めから中山間地農業に目は向いていない」と。


 法制化阻止に向け


 こうした減反廃止反対の声を裏付けるように、共同通信が11月23日〜24日に行った世論調査ではこのことが如実に表れた。すなわち「コメの生産調整(減反)の廃止に賛成か反対か」の問いに反対が39%に上った。
 農林漁業従事者に限れば、実に60・7%にも達し、賛成の35・3%を大きく上回ったのである。
 我々は、減反(生産調整)廃止反対の声を強め来年の通常国会での法制化を阻止し、中小零細、家族農業、中山間地農業の育成強化を図らなければならない。

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