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2014.01.21
新安保戦略(下)
危険で不毛な対中布陣戦略


 安倍内閣の「国家安保戦略」の柱は、抑止力の強化、「日米同盟」と諸外国との「実際的な安保協力推進」、「グローバル安保への貢献」だが、今回は、その「戦略」を兵力で裏付ける「新防衛大綱」と「新中期防」を見てみよう。


 防衛大綱は、「おおむね10年間」の防衛力のあり方を定めるものだが、2010年に民主党政権が決めた前大綱は、安倍内閣の「国家安保戦略」決定に伴い、わずか3年で新大綱に置き換えられた。
 防衛省は、旧大綱の「基盤的防衛力」から前大綱の「動的防衛力」への転換をさらに飛躍させられるため、この変則改定を歓迎したはず。
 また、中期防は、大綱を具体化する5年間の計画で、武器購入、施設建設、部隊の編成・配置、人員配置と養成などを列挙したものだ。


 対中「機動防衛力」


 「安保環境」の認識は安保戦略を踏襲しているが、海洋と領土、経済権益が強調され、宇宙・サイバー空間の安定確保と精密誘導・無人化・ステルス・ナノテク技術の重視にも力点が置かれている。
 国際的には、積極的平和主義に基づく「日米同盟の強化と、諸外国との二国間・多国間の安保協力の積極的推進」が明示されている。
 そして、これらを一体的に進めるものとして、「統合機動防衛力」の構築が打ち出された。
 これは、「幅広い後方支援基盤と高度な技術力、情報・指揮通信能力に支えられ、部隊配置と機動展開を含む態勢で海上優勢と航空優勢を確保する質量ともに十分な抑止力」とされる。
 また、中国の動向への警戒を強調し、「日米同盟」の強化と日米韓、日米豪の軍事協力、そのインド、ASEANへの拡大強化がうたわれ、中国への対抗と包囲の姿が色濃い。


 沖縄・南西に重心


 そこで新大綱は、中国と向き合う「南西地域の防衛態勢強化」をかざし、広域的「常時継続監視」と無人機の配備、島嶼奪還の「水陸両用作戦能力」(日本版海兵隊)、地対艦ミサイル、特殊作戦、新型の機動戦闘車や護衛艦、F35戦闘機やオスプレイなど輸送機と空中給油機、潜水艦などを新規編成・増強するという布陣だ。
 敵地攻撃能力も「検討」とされているが、今夏には「航空戦術教導団」の新編成が始まる。
 このように高度化された攻撃的布陣の先鋒は沖縄本島や先島であり、基地負担と犠牲を沖縄に押し付ける計画だ。また武器輸出を解禁し、国内軍需産業の保護育成と、多国間軍事協力として武器を売り込む構えで、軍産共同と秘密拡大につながるのは必至だ。
 安倍首相の積極的平和主義=国家安保戦略は、憲法9条を無視し、東アジアの平和の枠組み作りに逆行する戦争準備態勢と軍事大国化にほかならない。
 通常国会では、集団的自衛権行使の容認と国家安保基本法案に警戒しよう。


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