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2014.07.01
  残業代ゼロ
 社会全体のブラック企業化だ



 日本の社会では、死ぬまで働かせるブラック企業、サービス残業当たり前、大量の非正規・ワーキングプアーが横行している。安倍内閣はこの上さらに残業代ゼロ≠フ方針を決めた。過労死が続出する制度を導入させてはならない。


 政府の産業力競争会議(議長=安倍晋三首相)が6月16日にまとめ、24日閣議決定された新成長戦略・骨太の方針は、労働時間ではなく成果に応じて賃金を支払う雇用制度改革を打ち出す。成果主義の導入で、労働基準法が定める「1日8時間・週40時間労働制」を取り払うと宣言したのである。


 労組の存在かけ 


 残業代ゼロの対象は「職務が明確で高い能力を有する者」、「少なくとも年収1000万円以上の者」という限定つきだが、いったん導入すれば、一般の労働者に波及することは間違いない。
 本人同意を条件とする方向ともいうが、労働者の立場は弱く彼我の力の差は圧倒的だ。
 第一次安倍内閣が打ち出し、断念に追い込まれた「ホワイトカラー・エグゼンプション(除外)」制度で経団連は残業代ゼロの対象社員を「年収400万円」とするよう求めた。そして今回、「多様で柔軟な働き方を可能にする」といううたい文句で「新たな労働時間制度の創設」を提案したのは経済同友会代表幹事の長谷川閑史氏だ。残業代ゼロは経済界の宿願であり、導入を狙ってきたのだ。
 日本の人口の圧倒的多数を占める労働者の働き方の基本に関わることを、労働者の代表の一人もいない産業競争力会議といったところで一方的に決めること自体が異常で、問題があるのだ。したがって、日本企業の国際競争力を高めるために労働者の基本的権利を破壊・剥奪する手法を許してはならず、労働組合がその全存在をかけて闘うべき問題であることは論を待たない。


 タダ働きなくせ


 労働時間の規制を取り払って成果によって賃金を支払うことになれば、どうなるか。労働者は会社から指示された仕事が終わるまで、成果が出るまで働かなくてはならなくなる。残業の概念のない業務請負であり、雇用された労働者の労働とは言えない。ブラック企業を日本の社会全体に広げかねない制度なのである。
 安倍首相は5月の初め外遊先のイギリスで残業代ゼロ制度について、「これをやり遂げなければ日本は成長できない」と発言した。残業代を払わなければ、一時的に企業の利益は増え、「成長」できるだろう。だが、累々たる労働者の屍の上に企業も経済も、社会もあったものではない。
 企業や経済の本来の成長は、労働者が安心して働き、その能力を最大限発揮できて初めてもたらされるものではないのか。残業代ゼロの前に、サービス残業をなくし、同一労働同一賃金の社会を作ることが政府の責務ではないのか。

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