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2014.07.08
  「子ども支援法」施行2年
 命吹き込み機能させよ



 福島原発事故から3年4カ月。福島県を中心とする放射能被害者の精神的・経済的状況は改善どころか、悪化するばかり。とりわけ子どもの置かれた状況は深刻だ。被害者に寄り添うべき「子ども・被災者支援法」はどこにいったのか。


6月26日に開かれた沖縄電力を除く大手電力9社の株主総会は、「脱原発」提案を否決した。事故当事者の東京電力は電気料金の最高10%値上げを人質に再稼働を脅迫するなど、居直りの姿勢を露骨にしている。浪江町民の慰謝料増額も拒否した。
 そして、石原信晃環境相は被害者の心を逆撫でし、傷つけた「最後は金目」発言を撤回・謝罪した際、「被災者の心に寄り添う」などと白々しく言い放った。
 

 無視される被曝


 事故から3年過ぎて放射能被害者の声や「脱原発」の闘いを取り巻く状況は大きく変わっている。「子ども・被災者支援法」の精神が骨抜きにされ、葬り去られようとしている。
 子ども・被災者支援法は、福島原発事故被害者を支援するため超党派の議員立法として12年6月に制定・施行された。しかし、1年以上基本方針が制定されず実施されない状況が続いた。
 基本方針はようやく昨年10月閣議決定されたが、多くの被害者が求めてきた、避難・居住・帰還に当たっての国からの支援、とりわけ住宅や医療に関する支援は多くの問題を抱える。しかも、避難指示の解除が進む一方で除染目標値が引き上げられようとするなど、「被曝」を無視し、被曝を回避するための施策を軽視する動きが目立つ。

 「施行2年を経ても支援法が、どれだけ、何をしてくれたか疑問を感じる」という被災者の声が象徴するように、達成されていないことがたくさんある。


 甲状腺がん深刻


 まず被災者・支援者の声を政策に反映する仕組み(常設の協議機関)ができていない。とりわけ避難者への住宅支援、長期及び無償の住宅支援制度が確立していないことだ。
 深刻なのは、支援法13条が定める健康診断あるいは医療費の減免が全く具体化されていないことだ。健診は福島県の健康管理・調査で行われているが、甲状腺のエコー調査に止まっており、詳細な健診は政府指示の避難区域の避難者のうち希望者のみという状況なのである。
 甲状腺がんについては現在、疑いも含めて89名となって非常に深刻な事態を迎えている。健診および医療費の減免については福島県に投げられている状況だが、国が責任を持ってきちんと充実し、支援を行うべきだ。
 子どもたちが被曝し、家族が離れ離れに避難生活を送らされている現実に国はどう対処するのか問われている。希望の光になるはずだった子ども被災者支援法が実を結び、被災者に寄り添った働きをするために法律に命を吹き込まなくてはならない。 

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