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2014.07.22
  ODAの軍事利用
 平和国家大転換の最終章



 安倍内閣には安全保障にも「三本の矢」がある。武器輸出三原則の撤廃、集団的自衛権の行使容認、仕上げはODA(政府開発援助)の軍事的利用だ。安倍政権は平和国家大転換の最終章へ年内の閣議決定をめざして暴走の速度を上げる。


 外務省内に設置された有識者懇談会(座長=薬師寺泰蔵・慶大名誉教授)は先月末、ODAの基本理念や重点事項などを定めた「大綱」の11年ぶりの改定に向けて岸田文雄外相に「報告書」を提出した。
 報告書には、「災害対処や復興、地雷除去、国連平和維持活動(PKO)など、非軍事的と定義できるものに関しては、過度な制限が行われないようにする必要がある」とあり、これまでの非軍事主義の原則を改廃し、大きく方向転換する内容が盛り込まれている。一方で、武器を送るなど、軍事的目的は引き続き禁じている。


 問題はあったが


 1992年に制定し、2003年に一部改定された現「大綱」は、 環境と開発の両立、 軍事的用途と国際紛争助長への使用回避、 発展途上国の軍事的支出や武器輸出動向への注意、 途上国の民主化や基本的人権、自由の保障状況への注意、の四原則を掲げている。
 ODAに関しては、独裁政権への援助が政権の延命を助けて民衆抑圧につながっている、ダム建設などの工事を行うのが日本企業で、利権や汚職の温床になっているといった問題が指摘されてきた。その上、非軍事という大原則もあやふやになっていた。
 06年に「海賊対策目的」として行われたインドネシアへの巡視船3隻の供与は、海上保安機関に行われたとはいえ、軍事目的で使われないという保証はない。昨年のフィリピン沿岸警備隊への巡視船10隻の供与も同じだ。そこには、なし崩し的に原則を変えようとする意図が透けて見える。


 中国牽制に使う


 平和原則のなし崩し的変更が今回の外務省・有識者懇の「報告」なのだ。安倍政権は、これまでもODAを中国への牽制として使おうとしてきた。南シナ海で中国と領有権問題を抱えるベトナムやフィリピンとの関係強化に使おうとしてきたのである。


 また、ODAの軍事的利用は、石油など輸入資源を輸送する海上交通路(シーレーン)の安全確保に使うことも想定されている。
 だが、「大綱」が邪魔になっていた。ODAの軍事利用が認められれば、港や空港を整備して双方の軍が使えるようになり、中国への牽制はより効果的になるというわけだ。
 安倍内閣のODAの軍事的な利用は、昨年12月に閣議決定した「国家安全保障戦略」に「ODAの戦略的活用や安全保障分野での支援を実施するため体制を整備する」と明記していた。平和外交を転換・変質させる安倍内閣に反対の声を全国から上げよう。

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