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2014.08.19
 14年版防衛白書
 軍事政策の大転換を宣言



 安倍内閣が8月5日、閣議で了承した14年版の防衛白書には、7・1閣議決定や秘密保護法、国家安全保障会議創設、武器輸出の大幅解禁など、安倍内閣による憲法破壊の“実績”が盛り込まれ、従来から大きく様変わりした。


 今年は自衛隊発足から60年、防衛白書の刊行は40回目になる。このズレを、中曽根康弘元防衛庁長官は、「防衛庁内では白書の刊行はタブーのような存在だった」と述べている。軍事については一切秘密にするという思考が支配的だったからだ。
 しかし、40回の防衛白書はいずれも、どこかを脅威≠ニして、自衛隊の増強と日米軍事一体化の施策を正当化するだけの宣伝物だった。


 転変する脅威 


 このパターンは今回も同じである。白書は北朝鮮、中国、ロシアなど近隣国の軍事動向の分析にページを割き、「わが国を取り巻く安全保障環境は、(2010年以降)さまざまな課題や不安定要因がより顕在化・尖鋭化してきており、一層厳しさを増している」、アジア太平洋地域においては「より深刻化している」と概観している。


 だが、この「課題や不安定要因」の一半が日本側にあることには口をつぐんでいる。問題の原因、責任は常に他にあるという論法である。
 その一方、とみに安保協力を強めているオーストラリアは「中国を敵とみなすのではなく、中国の軍事力の増加や近代化は、経済成長にともなう自然で正当な結果としている」とも紹介している。この認識ギャップは皮肉だ。


 解釈改憲を前面に


 白書は、7月1日の閣議決定の全文を掲載。際立つのは、従来の白書では集団的自衛権行使は「憲法上許されない」と明記してきたのに、「憲法上許容される」とひっくり返った。
 また、秘密保護法制定や国家安全保障会議創設、事実上の武器輸出解禁など、安倍内閣が強行してきた憲法無視の施策が列記され、これらが今後の日本の安保政策の柱になることを宣言している。言葉として残っている「専守防衛」は空文になる。


 進む戦争態勢


 海外での武力行使のあり方は、戦争関連法案の提出が来年の通常国会になるため、白書では具体的に踏み込んではいない。しかし、そのための自衛隊の編成と兵器の配備は、着実に進められている。
 「島嶼防衛」を掲げた南西方面防衛戦略では、即応機動連隊、水陸機動団、強襲揚陸艦、オスプレイ、機雷掃海もできる新型護衛艦、水陸両用車、機動戦闘車、即席爆発装置(IED)対応の輸送防護車、無人機などの新編、調達が盛り込まれている。

 しかし、これらは、いずれも海外での武力行使の即戦力となる。「戦争する国」づくりは進行中であり、秋の臨時国会から来春の通常国会は、「戦争関連一括法」との闘いの正念場である。

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