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2014.10.14
 カジノ解禁法案
 博打を成長戦略にする政権



 安倍政権が成長戦略の柱に位置づけるカジノを解禁する法案が、成立する危険性が高まっている。人生を狂わせ、無数の悲劇を生んできた博打を成長戦略に位置付ける発想にはあきれるばかりだ。廃案以外にない。反対の声を上げよう。


 カジノを解禁する法案は、カジノを含む統合型リゾート施設(特定複合観光施設=IR)の整備を促すことなどを内容とするもので、正式名称は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(IR法案)。


 成長戦略の柱!?
 昨年12月、自民、日本維新の会、生活各党の推進派が議員立法で提出した。公明党や民主党、みんなの党は党内の慎重論に配慮して、共同提案から降りた。法案は通常国会が閉会する4日前に駆け込みで審議入り、継続審議になっていた。
 安倍政権はカジノを成長戦略の柱に位置づけ、約200人が参加する推進派の議員連盟は、「観光客増加による経済効果やカジノ業者からの徴収金による自治体財政の改善」などをカジノ解禁のメリットとして上げる。議連最高顧問の安倍晋三首相は、「日本の成長戦略の目玉になる」と前のめりだ。
 IR法案は、「カジノ施設の収益が社会に還元されること」などを掲げ、具体的な制度設計は政府に委ねる。法律が施行されれば、政府は1年をめどに解禁に向けた実施法案の提出を義務付けられる。推進派は、「2020年の東京五輪までに開業するには、今国会での成立がベスト」と成立を急ぐ。
 菅義偉官房長官は10月3日の記者会見で、「(カジノ解禁関連法案を)今国会で成立させるべく全力で取り組んでいる」と述べたが、政府は法案の成立を見込んで7月、内閣官房に関係省庁から成るチームを設置し、検討に入っている。


 収益で対策とは
 カジノを解禁すれば、ギャンブル依存症患者の増加や、不正な資金の洗浄(マネー・ロンダリング)の温床になることが懸念され、また、賭博を禁じた刑法を事実上廃止に追い込むことになる。
 ギャンブル依存症の疑いがある人が日本人の4・8%(536万人)という衝撃的な数字がある。厚労省研究班が昨年7月に行った調査で明らかになったもので、男性に限れば438万人、8・7%に達する。国際的も極めて高い数字だ。
 そもそも賭博は胴元が儲かり、博打うちは損をする仕組みになっている。ギャンブル依存症は借金地獄、失業、自殺や犯罪といった無数の悲劇を生んできた。
 解禁推進派は、「カジノの収入の一部を使ってギャンブル依存症対策を行う」などと言うが、「カジノ」を「アヘン」にでも置き換えてみればいい。その倒錯したおかしさが分かるというものだ。刑法で賭博が禁じられているのは、そうした悲劇から人々を守るためだ。人間を悲劇に陥れる賭博で経済成長という発想自体が、おかしいのだ。

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