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2014.10.28
石綿訴訟最高裁判決
政治解決に直ちに応じよ


 泉南アスベスト訴訟の最高裁判決は国の責任を認め断罪する画期的なものだ。しかし、政府・厚労省には判決を真摯に受け止め、被害者を救済しようという姿勢が全くない。救済を長引かせることは許されない。政治解決を決断すべきだ。


 動かない厚労省
 「明日をも知れない患者が謝罪の言葉を今か今かと待っている。のらりくらりしている間に亡くなったら、その責任をどう取るのか。最高裁判決から1週間もたっているのに、厚労省は泉南現地に1人の職員も派遣していないではないか」
 泉南石綿(アスベスト)国賠訴訟の原告・弁護団は、最高裁勝訴判決(10月9日)直後から一刻も早い政治解決を求めて申入れ・要請行動を繰り返してきた。しかし、動こうとしない国・厚労省に対し、10月16日に行われた同省労働基準局総務課長との交渉の席でいら立ち・怒りが爆発した。
 石綿の健康被害について国の責任を初めて認めた最高裁判決で、2陣勝訴の54人は賠償額が確定したが、1陣勝訴の28人は大阪高裁に差し戻された。「賠償額確定だけに半年やそこら時間がかかる」(弁護団)のである。
 8年半前の提訴以降、14人が最高裁の勝利判決を聞くことなく石綿によるがんや中皮腫などで亡くなった。重篤な病の患者に残された時間は少ないのだ。
 最高裁判決で断罪された国・厚労省は原告が求めている、@深刻な被害を発生・拡大させ、かつ救済を長引かせたことに対する真摯な謝罪、A最高裁判決を基準にした政治決断による速やかな1陣・2陣の一括解決、B原告以外の泉南地域の被害者の救済、残存アスベストの除去等に向けた協議、少なくともこの3点に応じるべきだ。


 救済の枠組みを
 石綿は、戦前は軍需に、戦後は経済成長を支える原料として大量輸入され、建材などに広く使われてきた。国を相手取った石綿被害訴訟は、泉南や全国各地の建設現場で働いて健康を害された元労働者の起こしたものなど14件、838人が総額約265億円の賠償を求めて闘っているという。
 最高裁判決は、国の規制権限行使のあり方が技術の進歩、医学的な知見に適応するように、できる限り速やかに、適時かつ適切に対策をとらなければならないということを明確に判断した。政府は、最高裁判決を真摯に受け止め、裁判による決着を待つのでなく、新たな補償の枠組みを作り、石綿被害者全体の救済に道を開くべきだ。
 

 
 行政に甘い判断
 最高裁判決は、石綿被害者救済の基礎となる画期的なものであることは間違いない。だが、1958年から71年まで13年間の国の責任を認めたに過ぎない。2陣の高裁判決はとくに危険な石綿が禁止された95年までの国の責任を認めた。最高裁の判断は行政に甘く、被害者にとって極めて不十分と言わざるを得ない。

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