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2014.11.18
生活保護費引下げ
物価が上昇、上げるべきだ


 アベノミクスや消費税増税の影響で物価上昇が続いているにもかかわらず、生活保護費の引下げが強行されている。政府は来年度の予算編成で三段階目の引下げ案をまとめた。引下げ方針は撤回し、扶助基準を引き上げるべきだ。


 3段階で引き下げ


 政府は昨年、3回に分けて総額670億円、平均6・5%(最大10%)の大幅な生活扶助基準の引下げを決め、昨年8月、今年4月に強行した。今回は受給者の「住宅扶助費」や、暖房など冬場の出費に対応するため上乗せされる「冬季加算」が削減の対象だ。
 これは、「骨太の方針2014」が「住宅扶助や冬季加算等の各種扶助・加算の水準が当該地域の類似一般世帯との間で平衡を保つため、経済実勢を踏まえてきめ細かく検証し、その結果に基づき必要な適正化措置を平成27年度に講じる」としていることによる。
 生活保護受給者の家賃は国と自治体が全額負担し、厚労省が都道府県、政令市、中核市ごとに上限を決めるが、「上限」が低所得層の世帯の家賃より高いから引き下げるというのだ。


 低所得層とは世帯収入300万円未満で、その平均家賃より上限が2割程度割高になっているので基準額を同程度まで下げて平衡化を図るというのが、政府の言い分。だが、それで「健康で文化的な最低限度の生活」を保障できるのか。
 

 平均と上限を比較


 生活困窮者を支援する「生活保護問題対策会議」は、厚労相らに提出した「要望書」で「一般低所得世帯の家賃実態額は平均値であるのに対し、住宅扶助基準額は上限であるから、そもそも均衡論の比較の対象として不適切」と批判、引下げ撤回を求める。
 要望書はさらに「健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積」として、国が定めた「最低居住面積水準」を満たす住居の家賃水準の実態を調査し、それに住宅扶助基準を連動させることこそ必要と強調する。
 では、「家賃の実態」はどうか。東京都の23区内には約23万世帯の受給者が暮らし、基準額の上限が全国で最も高い。1人暮らし5万3700円、2〜6人世帯6万9800円、7人以上8万3800円で、受給者自身が上限内の住宅を探さなくてはならない。
 都保護課は「高い設定ではない。23区内でこの額の住宅が潤沢にあるとは思えない。引下げで住み慣れた地域をやむなく離れる人も出るのでは」と指摘する(『東京新聞』10月13日付「特報」欄)。
 冬季加算削減について要望書はこの間の光熱費上昇(6・4〜8・1%)を上げ、とくに北海道の電気料金は11月から12・43%、来年4月から15・33%の値上げが認可されているとし、寒冷地の削減は「命取り」になりかねないと警鐘を鳴らす。強行されれば、受給者の多くを占める高齢者や障がい者の健康と命が脅かされることになる。

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