新社会党
  1. トップ
  2. 週刊新社会
  3. 道しるべ
  4. 2014.12.16
2014.12.16
1票の格差
衆議院も参議院も違憲状態


 国会議員を選ぶために国民が投じる清き1票は、平等の価値をもってこそ、民意は正しく反映される。だが、昨年7月の参院選挙は鳥取の候補者は16万票で当選し、東京では55万票で落選した。1票の格差を是正することは急務である。


 民主主義は、少数意見の尊重を前提として多数決原理によって成り立つ。したがって、代表選出の仕組みは民意を正しく反映するものでなければならないのである。その理念は、日本国憲法前文の冒頭で「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動する」、「国政は国民の厳粛な信託による」と規定されている。


 「無効」の意見も


 現在の参議院議員の選出方法は、この原則が歪められ、無視されている、という最高裁判所の判決が出た。
 アベノミガッテ解散による総選挙公示直前の11月26日、選挙区間の「1票の格差」が最大の鳥取と東京で4・77倍だった2013年7月の参院選の定数配分は、法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、2つの弁護士グループが選挙無効を求めた16件の訴訟の上告審で、最高裁大法廷は「違憲状態」と判断した。
 最高裁が参院選の1票の格差を「違憲状態」としたのは、1992年の選挙(格差6・59倍)、10年の選挙(格差5・00倍)に続いて3回目で、速やかな選挙制度の見直しを求めている。
 今回の判決は15人の裁判官のうち11人の多数意見で、「12年の法改正による定数4増4減の措置は、不平等状態を解消するには足りないものだったといわざるを得ない。本件選挙に至るまで、違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態だった」としたが、「格差是正のための合理的期間は過ぎておらず、違憲とまでは言えない」との判断を示し、選挙無効の訴えは退けた。
 4人は、「違憲」とする反対意見で、このうち3人は「無効とはしない」とした。元内閣法制局長官の山本庸幸裁判官は、「違憲と判断した以上は無効とすべき」とし、「一部の選挙区は無効」とする意見を述べた。最高裁の裁判官が無効意見を述べるのは初めてのこと。合憲とする裁判官はなかった。


 小選挙区制も問題


 衆議院も同じ状態で、格差が2倍を超えたまま今回の総選挙に突入した。1票の価値の差が違憲判断の目安とされる2倍を超える選挙区が14ある。最高裁は、格差が最大2・30倍だった09年と2・43倍の12年の総選挙を「違憲状態」と判断した。
 原告の弁護士グループは今回の衆院選挙についても、選挙無効を求めて提訴する方針という。
 衆院の小選挙区比例代表並立制は、民意反映からみても最悪の制度だ。現行制度での格差是正は急務だが、民主主義の根幹を否定する制度を抜本的に改革することなしに民意の正しい反映はありえないのである。 

 ↑上にもどる
一覧へ
トップへ