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2018.09.18
辛淑玉連載 たんこぶ貧すれば鈍する 

連載第548回
 
  テレビに専門職が登場しなくなくって久しい。まず、コメンテーターが出演料の安いお笑い芸人になり、次は司会もお笑い芸人になり、その芸が尽きると、自分らのプライベートな話題で番組を作るようになり、それも尽きたら、いじめみたいな内容で無理やり盛り上げるようになった。

 ネットメディアの参戦でメディアの数が増えるにつれて、低予算での制作を求められ、視聴率を取るための王道も、かつては女の裸だったのが、いまや「思っていても言えなかった本音」としてのヘイトや差別発言にシフトしてきている。ウケるネタを探して、より弱き者へとその矛先を向けているのだ。

 その一例が、先日、ネットTVの「AbemaTV」で放送された「極楽とんぼKAKERUTV」だろう。出演の二人(山本圭壱と加藤浩次)が酔っ払いながら、その勢いで語るという代物だ。もう、この時点でアウトでしょ。

 酔っぱらいと痴漢に甘い日本社会の象徴みたいで、うんざりする。そして、事前の打ち合わせとは違い、出演者の女性評論家に「クソババァ」「日本から出て行け」などと罵倒したのだ。

 現在、製作者側の判断でこの番組の視聴は止められている。被害者が抗議したからだ。

 まず、男の番組に女が出てきて説教されるというスタイルからして化石なのに、酒飲んで罵倒しておいて、やりすぎちゃったごめんなさい、で済まそうとしていた製作者側も異常である。

 よく、「昭和の無罪、平成の有罪」などと言うが、かつては見過ごされてきたことでも今やったら犯罪なのだという人権尊重の流れをまったく理解していないのだろう。

 先日も、タレントのローラがユニセフに1千万円の寄付をしたことを揶揄する記事が出たが、これなど、「おバカな女の子」を演じていたタレントが意思を持った女性として行動するのを許せない、男のクソ根性の現れだ。

 俺のためにいつまでもバカで言うとおりにしててね、なんて、どんだけ幼いんだろうか。彼らの最後の頼みの綱である「金」が枯渇したら、その幼さがさらに全開になるんだろうな。



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