今週の新社会

コロナ禍があぶり出す 公共の悪化
根っ子には女性非正規 公務員の劣悪労働環境

2020/12/08
「なくそう!官製ワーキングプア集会」中央の竹信美恵子さんから右へ瀬山紀子さん、山岸薫さん=11月22日、東京都内

「官製ワーキングプア集会」で告発

 「コロナがあぶり出したもの」と題して「第12回 なくそう!官製ワーキングプア集会」が11月22日、東京都内で開かれ、公共サービスの脆弱さと非正規労働者の劣悪な労働環境を浮き彫りにした。

 集会で特に強調されたのは女性の非正規公務員問題で、非正規公務員4人のうち女性が3人という差別的状況だ。女性は扶養家族で職を失っても困らない、家庭で家事、育児を無償で担っているので低賃金で済むという「常識」が公務職場でもまかり通っている。

 国も自治体も行政改革の中で職員の定数削減が続く一方、行政需要は拡大し、その穴を埋めたのが安くて便利で使いやすい女性。今や非正規の女性なしには現場が回らない状態を生み、かつ使い捨てにしてきた。

 コロナ禍では、社会に必要不可欠のエッセンシャルワーカーとしてクローズアップされたが、低賃金でほとんど無権利の現状には光が当たらない。

 そこに切り込んだのが、竹信三恵子和光大名誉教授、瀬山紀子大学非常勤講師・元公立女性関連施設職員、山岸薫ハローワーク非常勤職員の特別報告だ。

 「強い危機感を持っている。会計年度任用職員制度の労組の評価は現場からずれている。人のために役に立ちたいという気持ちを利用しており、若い人は使われ損で大卒初任給が上限」

 「いつも公募制で雇用が不安、非正規が求職者の相談対応」

 「社会的な弱者ほど公共サービスが必要。そのサービスを担っているベテラン非正規を切ろうというのが会計年度任用職員制度。正規職員が本来やるべきことを非正規が行う逆立ち状態で、行政にノウハウが蓄積されない。このままでは社会的弱者と非正規が共倒れする」と告発した。