道しるべ

〝やめるしかない〟と教える

2026/03/11
福島原発事故から15年

  東京電力福島第一原発事故から15年の今日も避難生活が続き、廃炉や復興の課題が山積する。原子力非常事態宣言は出されたまま。事故を繰り返さないためには、原発をやめるしかない。

  レベル7の過酷事故は、「安全神話」の下で起きた。にもかかわらず、地震大国・日本の政府は、「避難計画」というまやかしで原発の最大限活用に舵を切った。 

  原発事故で原子炉内の核燃料が溶融、広範囲に放射性物質が拡散し、広大な地域が帰還困難区域に指定された。そのため今も約2万3000人以上が避難生活を強いられている。 

  事故によって生活や住まい、土地、ふる里を奪われた人々は国と東電の責任を問い、原状回復と損害賠償を求める集団訴訟を行っている。また、放射能被ばくによる甲状腺がんの患者も闘っている。 

廃炉は見通せない 

  廃炉作業は緒にすらついていない。2号機から0・9㌘の燃料デブリを取り出したが、デブリ総量は約880㌧。2051年までに廃炉完了をめざすなら、1日平均170㌕以上の回収が必要で、現状では夢物語だ。 

  福島県内には、除染で発生した放射性物質を集積する中間貯蔵施設があり、汚染土壌の「再利用」計画が強行されている。公共事業などで、約1400万立方㍍の4分の3を「利用」するというが、放射能汚染土壌の全国的な拡散であり、許されない。 

中電がデータ捏造 

  政府はこうした中で昨年、原発の最大活用など第7次エネルギー政策を閣議決定し、高市早苗首相は先の施政方針演説で再稼働加速、建て替えに向け次世代革新炉の開発・設置の具体化を表明した。 

  また昨年、原発「60年超制度」が発効、中国・関西電力は山口県上関町に中間貯蔵施設建設の「適地」表明、北海道電力泊原発の再稼働を知事が容認、東電柏崎刈羽原原発が今年2月に再稼働した。

  年明け早々、中部電力浜岡原発の耐震設計に伴う基準地震動データの捏造が発覚し、責任が厳しく問われている。 

処分地の適地ない

  
原発は稼働すれば核のごみが出る。冷却プールの8割が埋まり、満杯になると原発は動かせない。核のごみを運ぶ青森県六ヶ所村の再処理工場は、昨年27回目の完成延期。最終的な核のごみは10万年も地下に隔離というが、処分地選びは進んでいない。地震大国に適地はない。 

  原発政策は八方塞がり。「原発やめ、自然エネルギーへの転換」こそ、あるべきエネルギー政策だ。