今週の新社会

戦争させない
施行77年憲法集会

2024/05/15
超党派で共同開催して10回目の「5・3憲法大集会」には3万2千人が集まり、集会後はパレードした=5月3日、東京・有明で

党派超え10回目
東京で大集会 3万2千人集う
 

  憲法施行77年の5月3日、憲法大集会が東京・有明防災公園で3万2千人が参加して開かれた。戦争法を許すなと、15年に党派を超えて開催した憲法集会は10年を迎えたが、憲法9条が否定され、先制攻撃も辞さない国へと暴走する自公政権に抗議、憲法を守らせる決意を固めた。

  オープニングで島唄を披露した古謝(こじゃ)美佐子さんは、安倍内閣が集団的自衛権行使容認を閣議決定して10年、岸田首相は4月、米国議会で「未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ~」と題して演説し、日米同盟が新たなステージに入ったと糾弾した。 

  主催者挨拶した小田川義和さん(総がかり行動実行委共同代表)は、「岸田政権は、安保3文書で、防衛費を5年間で43兆円とすることや、殺傷能力のある武器の輸出を打ち出した。そればかりか、今回の日米首脳会談で自衛隊を米軍の指揮下に置くことに同意した。先の衆院補選では、自民党全敗という結果になったが、これは自民党政治への国民の怒りの表れ。自民党闘で実現しよう」と訴えた。 

  続いて伊藤真弁護士が、「政府に戦争させないとした憲法に私たちは守られてきた。今度は私たちが憲法を守る責任を果たさなければならない」と発言。 

  新外交イニシアティブ代表の猿田佐世弁護士は、「米国との軍事同盟は日本が東アジアや地球の裏側まで守るということを言明したこと。これは平和国家と言われてきた日本が軍事大国を目指すということを意味する。日本は外交で紛争を解決する道を歩むべきだ」と指摘した。 

  立憲野党・会派からは田村智子共産党委員長、逢坂誠二立憲民主党代表代行・憲法調査会長、櫛渕万里れいわ新選組共同代表、福島瑞穂社民党党首が連帯挨拶した。 

  リレートークで広島市立大国際学部2年の大内由紀子さんは、「岸田首相は核兵器禁止条約を核兵器廃絶の出口というが、入口だ」と述べ、原発と地震について武藤類子さん、難民問題は山岸素子さん、沖縄の課題では高里鈴代さん、パレスチナ問題で猫塚義夫さんがそれぞれ訴えた。 集会後は台場コースなどをパレードした。

  共同街宣で不戦を訴え 新社会党と社民党 

  憲法集会の前段、新社会党は社民党とともに会場近くのりんかい線国際展示場駅前で昨年に続いて共同街頭宣伝を行った。 

  右翼の大音量の妨害の中、25年の参院選候補に内定した甲斐正康さんもスピーチ。岡﨑宏美委員長は、民間人を含めて戦争に巻き込まれるような政治を許してはならないと強調した。

  社民党の福島瑞穂党首は、憲法審査会で改憲条文が具体化される危機にあると訴えた。共同テーブル発起人の杉浦ひとみ弁護士は、改憲国民投票法の欠陥と危険性を訴えた。