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新社会党第27回定期全国大会
岡﨑宏美委員長の冒頭挨拶

2022/02/26
 新社会党第27回定期全国大会の岡﨑宏美委員長の冒頭挨拶(2022年2月26日)


 コロナ禍、今大会もオンラインとの併用開催となりました。会場にお集りの皆さん、また各県サテライト会場に結集していただいた皆さん、皆さんの工夫や努力で大会が開催出来ることに、心から感謝と敬意を表します。実りある大会にしていきましょう。


 大会直前の24日、ウクライナへのロシア軍侵攻のニュースが飛び込みました。アメリカもまたポーランドに大規模な軍を派遣し、大規模な武力衝突への危機感が高まっています。領土、資源、政治的対立の結果武力衝突が起きれば、その犠牲はいつも市井にある人々です。武力と制裁が解決につながらないという教訓は、いつ生かされるのか。平和憲法を持つ日本がその役割を担える政権を作り出す努力を、私たちは広く憲法を生かしていきたいと考える人たちと共に担わねばなりません。


 世界各地で引き起こされている大規模な自然災害は気候変動によるものと、誰もが否定しがたいこととなりました。さらに新自由主義のもと、文化や自然の破壊も躊躇しない資本主義の利潤追求という「人間の仕業」が根本的な原因と考えられるようになりました。一握りの人間が富の9割を奪い、大勢の人々の生きる条件を破壊してやまない、このような仕組みを変えていく粘り強い闘いが求められています。


 しかし、あまりにも拡大する貧富の格差、明日食べる事への不安、人間が人間として学び暮らす権利の蹂躙が、声をあげるべき人々から連帯し変革への活動に踏み出すことから遠ざけている現状があります。変化より「今を守る」空気が、過激で排他的な層を作り、保守政権を支えています。マスメディアの右傾化、政権への忖度報道ともいえる批判のなさも、人々から考える機会すら奪っていると言っても過言ではありません。


 コロナ禍は自らが直面した失業や命の不安をきっかけに、一人ひとりの暮らしを支える諸制度の脆弱性に気づく人たちを増やしましたが、その声を受け止め改善させる政治勢力が十分に機能できず、政治への不信感を深め、政治を遠ざける事にもつながっています。これは民主主義の危機的状態です。


 参議院選挙について申し上げます。昨年2月、社民党から2022年参議院選挙を、「憲法を生かそうとする諸勢力と共に闘いたい。社民党の政党要件を利用し、統一名簿で闘おう」という呼びかけがありました。 昨年の大会で、私たちはこの呼びかけを真摯に受け止め、総選挙、参議院選挙に向けた準備を行うことを決定しました。総選挙では、選挙区は野党統一候補を軸に、比例区は社民党支持を明確にし、先に触れた民主主義の危機、憲法の危機的状態を心配する人たちに支えられ、各都道府県本部は全力で闘いました。社民党は比例票100万票を超えて参議院選挙へつなぐことができました。


 今大会に、私たちは社民党の政党要件を利用し、「推薦枠」で比例候補者名簿に新社会党の候補者を登載して闘うと提案いたしました。かつての苦い思いを繰り返すのか、社民党と合流するのかといった懸念については、それは全くないと明言します。新社会党の党員が、新社会党の党員として比例選挙を闘います。


 長い間、自前の候補者を立てず野党共闘を支える形で国政選挙に臨んできました。しかし政党要件を持つ政党間の「共闘」への認識は違いが多く、さらに野党第一党である政党の分裂や、方針の動揺等、野党共闘で政権交代を求めた市民の期待に応えられているとは言えません。まして「安倍政治を倒せ」のスローガンを生み出すことになった特定秘密保護法や解釈改憲で集団的自衛権を容認した、まさに「憲法改悪」に対しても一本化できない状況にある今、憲法、安保などの基本的な方針で共闘できる勢力「立憲民主党でも共産党でもない第三極」を形成し、両者をもつなぎ、平和と安全、一人一人の権利を確立させていくことは、喫緊の課題です。 台頭する改憲勢力、ヘイト勢力、何より新自由主義政策推進の自公政治に向き合う政治勢力を作る努力は、今、新社会党が取り組むべき課題です。

 
 楽な道ではありません。しかし、続けてきた努力を次の世代に引き継ぎながら、平和と安全、権利の確立を求める人々と共に闘うことが、道を太く広くする唯一の方法であると確信します。勝てるから選挙をするのではない。しかし、目標を立て、目標達成の努力、一つでも目標を達成する。この繰り返しが、希望を作る。それは「勝ったと同然」になり、やがて「勝てる」につながります。短期で成せるとは思いませんが、政党が政党として歩む基本ではないでしょうか。



 今大会議案は、参議院選挙に絞る形で運動方針を提案しております。だからと言って諸活動を軽視しているわけではありません。諸活動の上に、参議院選挙、そして各地の自治体議員選挙があります。憲法の危機的状況を共有できる仲間を拡大しながら闘うことは、働く者の声を受けとめ、当面する課題を闘うことです。 様々な不安を抱える人達と「声」をあげていいのだと、集う場を作ることです。破壊が続く自然環境を守る運動を共にすることです。次期大会では、こうした様々な取り組みが報告され、党の方針をより豊富化させるに違いありません。

 
 最後に党員各位の不断の努力に改めて敬意を表します。次に引き継ぐ闘いは決して楽ではないけれど、今、私たちが持てる力を尽くして踏み出していこうではありませんか。私は委員長としてその先頭に立ちます。 ご清聴ありがとうございました。