今週の新社会

菅首相 五輪開催に固執
命の軽視許されぬ

2021/02/02
 通常国会冒頭の最大の争点となっている新型コロナ感染爆発対策。入院できずに自宅待機中に死亡する事例が後を絶たない中、懲役や罰金を科す妥当性が問われている。東京五輪開催にこだわり、経済を優先する菅内閣の罪を問う。

 衆院の代表質問で東京五輪・パラリンピック中止を求められた菅首相は、準備に万全を尽くすとして開催にこだわった。しかし、世論調査では開催は無理との判断が80% (1月NHK調査)となり、政府部内からも弱気が漏れてくる。

 経済復活にこだわったGoTo事業同様、政権の五輪開催絶対姿勢は、新型コロナ感染を過少に評価し、判断の後手を生み、ワクチン接種しか手がなくなっている。

 入院体制が整わず、自宅待機中に死亡する感染患者が多発する中で懲役や罰金を科す感染症法等の改定は悪手だと、医学会をはじめ批判が高まっても強行しようとする菅政権はいまや人災の元凶だ。

 こうした中、新型コロナの爆発的な感染対応にもたつく政府を待ってはいられないと、PCRの大規模独自検査に踏み切る自治体が徐々に増えている。

 広島県は1月14日、感染拡大が著しい広島市中央部の4区の住民と就業者、最大80万人を対象に、希望者は無料でPCR検査を行うと発表した。

 広島県の対策は、無症状感染者が感染を拡大させないよう感染者を早期発見し感染拡大を防ぐ狙いで、国の支援を頭に置いたもの。西村康稔担当相も広島県を「緊急事態宣言に準じる地域」に指定する方向を示していた。

 しかし、県の発表後の16日、西村担当相は10万人当たりの新規感染者数が下がったとして、緊急宣言に準じる地域に指定しないと広島県に通知。

 経済拡大を妨害する感染拡大ムードを嫌う菅内閣の嫌がらせと思わせる対応だが、湯崎英彦知事は今月上旬に一斉検査を開始したいと意欲を示している。

 国会開会日に続いて、翌日の19日には恒例の19集会が議員会館前で開かれた(写真)。

 新社会党も参加した集会では、菅首相の45分の施政方針演説でコロナについては7分だけ、国民の不安に応えず、「希望」などを空虚に連発するのみと強い批判が続出した。