今週の新社会

パラ五輪中止を
新型コロナ感染爆発 命が守れない

2021/08/24
=五輪開催中のコロナ感染者数の推移(図)

 爆発的な新型コロナ感染拡大と緊急事態宣言拡大の下で、8月24日にはパラリンピックが開幕する。選手と国民の命を危険にさらして金もうけに走るオリ・パラに新社会党は改めて中止を求める声明を出した。命を危険にし、莫大なツケを東京都民・国民に回す政府・IOCを糾弾する。(党声明はホームページに全文掲載)

 緊急事態宣言下で強行開催された五輪中、図のように東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県では新型コロナの感染が爆発した。

 厚労省の新型コロナ対策の専門家組織「アドバイザリーボード」は8月11日、首都圏などの医療体制について「もはや災害時に近い」、今後は「多くの命が救えない危機的な状況さえ危惧される」との見解を示した。

 このような中でのパラリンピック開催はあまりにも無責任だ。無責任はまた莫大な借金として都民・国民にツケ回しされる。

 「コンパクト五輪」をうたったが、経費は13年当初の予算7300億円から昨年末の政府試算で総額1兆6440億円と2倍以上に膨らんだ。典型的な公共事業の手口だ。

 しかも、これとは別会計の「五輪関連経費」があり、18年度までに1兆600億円を東京都と政府が使っている。その上、暑さ対策として7349億円が追加された。

 合わせて3兆4千億円を超えるが、無観客にしたことで返還チケット代900億円と、それに匹敵しかねない返還事務費が乗る。観客をあてにして契約した各種事業者に対する違約金も発生する。

 そして、毎年赤字を生み続ける巨大なハコモノの維持費が追い打ちをかける。これらの赤字を庶民増税や福祉の切捨てで払わせられてはたまらない。