今週の新社会

非正規社会 脱却
憲法理念で結集 革新の「共同テーブル」スタート

2021/09/07
=「非正規社会からの脱却」を正面に掲げた「護憲の共同テーブル」のキックオフ集会。円内は挨拶する岡崎宏美・新社会党委員長

 「非正規社会からの脱却」を宣言して8月18日に記者会見、28日にキックオフ集会を開いた「共同テーブル」。異常な非正規社会からの脱却をめざす革新勢力の結集軸に憲法の理念と思想を置き、実現を目ざす運動が始まった。総選挙は目前だ。

 非正規が当たり前になっている異常さは、格差拡大や沖縄への軍事基地の押し付け、歯止めなき環境破壊となって噴出している。それを許した一つの原因に革新勢力の分裂や対立がある。

 こう指摘した共同テーブル発起人の一人、佐高信さんは憲法理念をあいまいにした結集は自民・公明・維新勢力に傾斜するだけだと語り、社民党や新社会党、緑の党をはじめ基本政策が一致する多くの政党、政治団体、市民団体と一緒になって日本を変えるネットワークをつくろうと呼びかけた。 

 「いのちの安全保障を考える」をテーマに開かれたキックオフ集会のシンポジウムでは、佐高さんの他に発起人の植野妙実子(まみこ)・中央大学名誉教授、山城博治・沖縄平和運動センター議長、竹信三恵子・和光大学名誉教授、講談師の神田香織さんが並び、白石孝・官製ワーキングプア研究会理事長が司会を務めた。

 佐高信さんは「オリンピックを止められなければ戦争は止められない」と護憲政党の立ち上がりを促し、植野さんは「護憲政党の基本をきちんとした連携」「新型コロナもアフガン問題も改憲の口実に使わせるのは絶対許さない」と訴えた。

 竹信さんは「女性差別と憲法が結びついていなかった。女性の低賃金非正規労働を認めたことで男性もそのるつぼに巻き込まれてしまった」と指摘した。

 山城さんは「辺野古の新護岸工事が昨日始まり、サンゴの移植作業が行われた。尖閣諸島を守ると自衛隊配備が進んでいるが、台湾有事の準備だ。再び沖縄を戦場にしないために共同テーブルが希望を示せ」と訴えた。

 神田香織さんは、「コロナ対策で菅首相も小池都知事もポーズばかりだ。原発事故対策も同じだ。被災者が差別される社会を変え、原発ゼロを実らせたい」と軽妙な語り口で会場を沸かせた。

 オンライン参加者の発言の後、福島瑞穂社民党首、岡﨑宏美新社会党委員長、漢人明子都議・緑の党グリーンズジャパン全国運営委員が連帯挨拶した。

 岡﨑委員長は、次の時代につながる野党共闘を前進させるために新社会党が共同テーブルに応える決意を力強く表明した。