今週の新社会

攻撃停止求める
南ア、国際司法裁判所に提訴

2024/01/24
国際司法裁判所で審理始まる=1月9日、オランダ・ハーグ、英・SKY newsから

「ジェノサイド条約」違反

イスラエルのガザでの虐殺


    国際司法裁判所(オランダ・ハーグ)は1月11日、南アフリカがイスラエルのガザ地区でのパレスチナ人大量虐殺を「ジェノサイド条約違反」と攻撃中止を命じるよう求めた提訴(昨年12月29日)の審理を開始した。数週間以内に結論が出るとみられるが、停戦と復興で終わりではない。1948年のイスラエル建国以来75年続くパレスチナ占領と弾圧を検証する 

     欧州のキリスト教社会で迫害されたユダヤ人は、ユダヤ教の聖地のあるアラブ人の住むパレスチナに、第二次大戦後の国連のパレスチナ分割決議によって48年、イスラエルとして建国した。 

     分割案を検討した国連のアドホック委員会は、ホロコーストに何ら責任のないパレスチナ人に代償を払わせるのは国連憲章違反であり、政治的に不正であるとした。しかし、アメリカなどの多数派工作で決議された。 

     イスラエルは建国過程も含め、パレスチナで民族浄化を行った。1年以上も続いた「ナクバ(大災厄)」によってパレスチナ人は祖国を失い、49年9月時点で72万6000人が難民となった。国連は48年12月、パレスチナ難民の即時帰還の権利を決議したが、75年たっても「国際社会」はイスラエルの無法を放置したままだ。 

     87年の第一次インティファーダ(民衆蜂起)でパレスチナの土地奪還とパレスチナの人権保護を目的に、ハマース(イスラーム抵抗運動)が組織された。ハマース(注)は2006年のパレスチナ立法評議会選挙で勝利し、統一政府を作った。 

     米国は統一政府を認めず、ファタハ(パレスチナ解放運動)を巻き込んでクーデターを計画。07年にヨルダン川西岸はファタハが、ガザはハマースが統治する二重政権となった。同年、イスラエルはガザを完全封鎖した。 

     占領と封鎖下にあるガザの産業基盤は破壊され、食料や水、燃料、医薬品も命をつなぐ最低ラインに達するかどうかという状況が16年間も続く。排水処理設備が満足に稼働せず、水の浄化施設が機能しないため、ガザの水道水の97%は飲料に適さない。その上イスラエル軍がいつ攻撃してくるかわからない恐怖が日常化している。 

    「天井のない監獄」と呼ばれるガザ地区では、監獄に閉じ込めた囚人を殺すに等しい蛮行が行われている。また、国際法は占領軍に占領下の人々を保護する義務を課しているが、イスラエルは義務を果たさないどころか真逆の残虐行為を平然と行っている。その国を米国は軍事支援し、擁護し続けている。

◇ 注「ハマス」の表記を原語に近い「ハマース」に変えました。